【獣医師の視点から】わんちゃんベッドの選び方

どうぶつ

ぽこです。

獣医師を10年以上やってきました。動物病院勤務の頃は動物たちの健康以外にもいろいろな相談を受けることが多かったです。

ごはん、ケア用品、シャンプー、ベッド、リード…休みの日はペットショップに行き、今どんな商品があるのかなーと見たりしてました。

今回はわんちゃんのベッドについて。

いろいろな商品がありすぎて、どれを選んだらいいのか分かりませんよね。あ、これも良さそう。こっちもいいなあなんて目移りしてしまいます。

わんちゃんのベッドも場合によっては健康に関わってくるケースもあります。ベッドを変えただけで、悩んでいた皮膚の痒みが落ち着いたなんて子もいました。

今回は、獣医師視点からみて、どんなところをチェックしてベッドを選ぶのがおすすめか紹介したいと思います。

ベッドの場所は大丈夫?

トイレからは離そう

まずお家の中でベッドを置くスペースを確保しましょう。トイレや食事場所があまりにも近いと落ち着かず、キレイ好きなわんちゃんは嫌がり、ゆっくり眠れないことがあります。さらに汚れやすいというデメリットもあるので、トイレや食事場所の真横にベッドを設置するのは避けた方が無難です。なるべく離れた位置にしましょう。

落ち着ける場所に設置しよう

わんちゃんが落ち着ける場所にベッドは設置しましょう。飼い主さんから離れすぎてると不安ですし、ただあまりにも生活スペースに近いとガチャガチャいろいろな音や刺激があって落ち着けません。音の出る家電やテレビの近くなどは避けた方がいいでしょう。飼い主さんの気配が感じられて静かな場所が理想的です。

人と一緒に寝るのは賛否両論

飼い主さんと同じ布団やベッドで寝る子も多く聞きます。やはり飼い主さんのそばにいることが安心に繋がるんですね。これについては賛否両論ありますが、個人的にはあまりおすすめできません。

衛生面を考えると人のベッドや布団は定期的に丸洗いをすることが大変です。人用ベッドのマットレスは特に難しいですよね。通常でも抜け毛やフケ、汚れなどがつきやすいですし、もし、ノミやダニが寄生してしまったら、家の中での大繁殖の温床になってしまいます。

また、ペットホテルや入院した場合、飼い主さんがいないことで大きなストレスとなり、分離不安につながることも。(ただでさえ入院は大きなストレスですが)

消化器系の病気になった場合、間に合わなくて人のベッドの中で粗相してしまう子も多いです。下痢や嘔吐物がついてしまってその対応に苦慮する飼い主さんもたくさん見てきました。

中には人獣共通感染症といって、わんちゃんから人へ、人からわんちゃんへ移る可能性がある病気もあります。

衛生面を考えると個別で洗濯や消毒が可能なわんちゃん用ベッドを用意していただく方がいいのではないかと私は思っています。

ベッド選びはここを見て

ベッドの形

ペットショップやネット通販サイトを見るといろいろな形のものがたくさんあります。

平置きのクッションのようなもの、ドーム型のもの、中には人間と同じような形のベッドまで。基本はわんちゃんが好めば良いのです。怖がりな子はドーム型が落ち着いて眠れるかもしれません。高齢だと足腰が辛いので、あまり高さをまたがなくていい、平置きの方がいい可能性もあります。

ベッドの大きさ

わんちゃんの体に対して、あまり大きすぎると落ち着かないので、身体にフィットする大きさを選びましょう。また、小さすぎてもキツキツで寝にくいですね。

また、高齢になってくるとなかなか寝返りが打てなかったり、関節が痛くて曲げるのがしんどかったりします。なので少し大きめのサイズの方がゆったりできることも。

ベッドの素材

そして個人的には素材がその子の状況に合っていることが大切だと感じています。

身体や体調に合わせたもの

例えば高齢の子にふわふわすぎる柔らかいベッドはあまり向いているとは言えません。関節などが悪く、動くのが大変なので柔らかすぎるベッドだと逆に足を取られてうまく動けないことがあります。また、痩せてきて骨ばってたりすると、柔らかい素材は体重が一点に集中しがちです。これは痛みや床ずれの原因になります。

季節に合わせたもの

また、季節によっても素材を変えることは快適な睡眠につながります。これは人でもなんとなく分かりますね。夏はやはり通気性のいいもので、熱がこもらない素材がいいです。最近ではひんやり寝具もありますね。夏が苦手な北方系のわんちゃんや短頭種にはいいかもしれません。一方で冬はやはりあったか素材がいいですね。最近は寒がりのわんちゃんも多いです。

衛生面を考慮したもの

もちろんわんちゃんのベッドは衛生面も大切。可能であれば丸洗いできたほうがいいです。毛やフケ、皮脂などの汚れがつきやすいのでお手入れは定期的にしましょう。

最近ではアレルギーのわんちゃんが多いのですが、環境アレルゲンが原因になっているケースも多いです。皮膚の赤みや痒みが季節に関係なく、通年で見られる場合はハウスダストが原因のことがあります。(あとは食べ物)一方で症状に季節性があったりすると花粉などの可能性が高いです。人の花粉症を思い浮かべていただくと分かりやすいですね。

そんなわんちゃんには防ダニ素材や花粉が付着しづらい素材がおすすめです。以前、実際に診察した子なのですが、夜中から朝に皮膚の痒みや赤みが悪化する子がいました。その子はお気に入りのふわもこベッドをずっと使用していたとのこと。もしや…と思って、ベッドを変えてもらいました。すると今まで朝痒みが出ていたのが治ったそうなんです。おそらくベッドにハウスダストなどのアレルゲンが溜まっていて、寝る時にアレルゲンに接触するため夜中から朝方に症状が強く出ていたのではないかと考えられます。

定期的に変えること

お気に入りのベッドを取り替えるのは忍びないのですが、やはり、定期的に買い換えましょう。衛生面でもそうですが、安全面からもとても大切なことです。

使用、洗濯を繰り返しているとどうしてもベッド自体が痛んできます。クッションが偏ったり、へたったりしてくると、高齢のわんちゃんなどでは身体への負荷も出てくることがあります。

また、ほつれなどがある場合、わんちゃんが面白がってかじって分解してしまうことも。小さなほつれから、遊んでいるうちに傷が広がって、中の綿を食べてしまったなんていうこともありました。布製品全般に言えますが、かじってほつれてくると、わんちゃんにとってはとても楽しい遊びになってしまいます。

安全性からも破れたりほつれたりしたものは早めに買い換えましょう。

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まとめ

獣医師から見た、わんちゃんのベッドの選び方について解説してきました。

  • ベッドの設置場所はわんちゃんが落ち着けるところ
  • ベッドの形や大きさはそれぞれのわんちゃんに合わせよう
  • 高齢の子だと足腰が伸ばせるタイプの方が寝やすい傾向
  • 怖がりの子はドーム型などがおすすめ
  • 素材は季節や体調に合わせて選ぼう
  • アレルギーの子には防ダニ素材や花粉がつきづらいものがおすすめ
  • 汚れやすいので丸洗いできるものがいい
  • ほつれなどがあれば、誤食の原因にもなるので定期的に買い換えよう

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