【獣医師解説】アンチノールだけでは足りない?そんな時にはこれ!

たわごと

ぽこです。

獣医を10年以上やっています。動物病院勤務から現在は人と動物の栄養に関するお仕事を一般企業でやっています。

昨今、ペットサプリはものすごい勢いで増えています。それだけ大切な家族である動物たちの健康に気をつける人が増えてきたからと考えられます。病院の獣医師と、メーカーと双方の視点から分かりやすく解説していきたいと思います。

さて、今回はペットサプリといえばこれ!そう、「アンチノール」です。いわゆる「なんでもサプリ」で健康のために使っている方も多いのではないでしょうか?

そんな中、「アンチノールだけだとそこまで調子が変わらない」「うちの子にはあまり効かなかった」そんなお声も聞くことがあります。今回はケース別にそんな時にはこれを足してあげるといいかも?という点を解説していきます。

※あくまでも一般論で、動物たちのここの状況により異なります。最終的な判断はかかりつけ獣医師にご相談ください。

万能サプリとして不動の人気のアンチノールとは?

まず、動物病院への導入が日本一(メーカー調べ)とされているアンチノールについてです。2023年8月現在はリニューアルされてアンチノールプラスという製品になっています。

どんなサプリメントかというと、ニュージーランド産のモエギイガイ(緑イガイ)のオイルをベースにした、健康サプリメントです。このモエギイガイのオイルはオメガ3不飽和脂肪酸や消炎効果の高い、フラン脂肪酸を含んでいます。主に関節や皮膚のケア、血管系のケア、認知機能のサポートなど幅広く使われています。特にシニアの子に嬉しい成分ですね。

動物病院のほか、ネットでも購入できますし、定期購入すると少しお得に買えるのも嬉しいですね。

アンチノールだけだと足りないのはどんな時?

万能サプリで足りないって?

動物病院で働いていたとき、こんなお声もありました。

「先生、うちの子アンチノール効かないみたい」

まあ確かにサプリメントでお薬ではないので、効き方はやはり個体差(個人差)があります。ただ、中には「これはアンチノールじゃないサプリメントの方がいいかも」「アンチノールにこれプラスしたらいいのでは?」というケースが多いように感じます。

変形性関節症

高齢などで関節が悪いと、だんだん骨自体も変形して曲がったりゴツゴツしてくることがあります。これを変形性関節症といいます。さらに軟骨がすり減って、骨同士が当たりやすくなることで痛みなども悪化してくるケースもあります。

こんなケースはアンチノールだけだと少し足りないということも。アンチノールが得意な痛みや炎症のケアだけでなく、関節への栄養補給を一緒にしてあげたほうが「効きがいい」と感じる患者さんが多かったと感じます。

では関節の栄養補給はどんな成分がいいかと言うと、名が知られてる「グルコサミン」などです。

他にもグリコサミノグリカン、コラーゲンなどがあります。もし、関節が悪くてアンチノールがいまいちだなと感じるのであれば、こういった関節サプリをプラスしてあげるのも一つの方法です。

ただしあまりにも痛みが強かったり、続くようならしっかり獣医師に診察をしてもらいましょう。

ダメージを伴う皮膚疾患

皮膚のケアにもよくアンチノールが使われますね。実際に既存の治療と併用して、だいぶ管理が楽になったりお薬が減らせたりすることがありました。

ただ、中には痒みが強すぎて掻きむしり、ただれ、じゅくじゅくになっているようなケースがあります。こうなるとアンチノールを飲み始めたからといって治るとも限りません。なかには細菌が増えてしまっているケースもあります。

あまりにひどい皮膚の状態であればアンチノールを始めるよりも、まずは動物病院でしっかりと治療をしてもらうことをおすすめします。

心血管系、認知機能など

アンチノールに含まれているオメガ3不飽和脂肪酸が血管や認知機能の健康維持に良いとされています。ただ、これらは病態が進んでいくとやはりサプリメントや栄養補給では足りなくなってくることが多いです。

アンチノールを飲んでるからもう大丈夫!というのではなく、その子の状態に合わせて追加したりやめたりするのもひとつの方法と考えています。

他のお薬やサプリメント、フードと組み合わせてケアをしていくことをおすすめします。

まとめ

ひとつで複数の効果があるのは嬉しいですが、何でもかんでも効くわけではありません。

サプリはあくまで栄養です。その子に必要な栄養を補給してあげることが何より大切です。そのためにはフード、他サプリとの組み合わせ、場合によっては外側からのケアや動物病院での治療など総合的に進めていきましょう。

コメント

タイトルとURLをコピーしました