【獣医師解説】犬猫のおしっこ、これチェックしてますか?日常的に健康チェックできるポイントは?

動物の病気について

ぽこです。

獣医師を10年以上やっています。動物病院や一般企業での勤務経験から、飼い主さんや動物たち、動物病院で働く人たちに役立つ情報発信を心がけています。

おうちのわんちゃんや猫ちゃんは家族も同然、とても大切な存在です。さらに言葉が話せないので、その健康状態はやはり気になりますよね。

日々の健康チェックが病気の早期発見、治療に繋がることもたくさんあります。いろいろとチェックするところはたくさんあるのですが、今回はおしっこのチェックのポイントについて解説したいと思います。

何気なくおトイレを片付けていませんか?

排泄には健康状態を知る上での情報がたくさんあります。ぜひ、今回の記事が日頃からの健康管理の参考になれば嬉しいです。

排泄チェックは健康チェック

うんちやおしっこなど毎日の排泄の状態は、健康状態を知る上でとても重要な情報になります。診察の問診でも必ず聞くようにしていました。

尿は身体を循環する血液から腎臓でつくられ、尿管を通り膀胱に溜められます。そして尿道を通って排泄されることになります。

尿ひとつとっても、腎臓や膀胱のトラブルの他、ホルモンの異常や循環の状態、水分が足りてるかなどさまざまなことが分かります。

ぜひ毎日チェックをしてみましょう。

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おしっこチェックのポイント

おしっこの色

見た目のおしっこの色はどうですか?体の水分の量によって濃さは変わります。人も朝一番のおしっこの色と、お水をたくさん飲んだときの色とでは結構違いますよね。それと同じです。時間によっていつもどんな色なのか把握しておくことをおすすめします。

でも注意をしたいのは、病気によっても色が変わることがあるということです。要注意な色は以下の通りです。

色がほとんどない、薄い

お水をたくさん飲んだときだけならいいのですが、常時色があまりつかない、水のような薄いおしっこだと病気の可能性があります。

こんな場合はおしっこの量も多く、さらによく水を飲むようになることも見られることが多いです。

原因としては腎臓のトラブルや糖尿病、ホルモンの病気などが考えられます。何らかの原因でおしっこに必要な水分まで出てしまうので薄くなってしまい、水分が足りないのでよく水を飲むようになります。

また、心因性という場合もありますがなかなか簡単に診断がつきません。上記のような病気を除外していく診断になります。薄いおしっこの場合は、油断せず速やかに動物病院に相談しましょう。

赤い

これはかなりわかりやすいですね。赤いおしっこは血液が混じる血尿の可能性があります。

これは腎臓から尿道までの通り道で何らかのトラブルにより出血をしている可能性が高いです。炎症、結石、腫瘍など。また、溶血といって血球が壊される病気の場合も赤い尿が出ることもあります。

さらにメスの場合は卵巣や子宮の出血が尿に混じって出てくる場合もあります。

濁っている、白っぽい

正常な尿は黄色(濃淡はありますが)で透明です。時に尿が濁っていたり、白っぽくなることがあります。この原因としては炎症、細菌感染などで細菌や膿が混じっていることがあります。場合によってはねばっとした膿や粘液が混じることもあります。

また、尿石症という尿の中に石や砂ができてしまう場合です。尿の中に細かい砂が混じると白っぽく濁ることがあります。こんな時は排尿後の猫砂やペットシーツが結石でキラキラすることもあります。

濃いオレンジ色

時に、尿が濃いオレンジ色になることがあります。濃い黄色を通り越してオレンジ色に近くなり、そしてこの色が白いタオルなどにつくと、なかなか落ちない。

実はこれ、深刻な病気が隠れている可能性があります。濃い尿の色の原因は黄疸(おうだん)の可能性があります。黄疸が出ている場合は肝臓や胆嚢などにトラブルがあることが推測されるので、速やかに動物病院へ相談しましょう。

おしっこの臭い

そして臭いも重要です。

一般的な臭いであればいいのですが、飼い主さんが「なんかいつもと臭いが違う?」と感じるのであれば、何かの異常がある可能性もあります。

特に尿の臭いがキツイ、悪臭がする場合は細菌感染などがあるケースがあります。

おしっこの量、回数

ちょっと忘れがちですが、おしっこの量や回数も重要なポイントです。

量があまりに多すぎる、または少なすぎる場合は注意しましょう。多すぎる場合は、上記にもありますが多飲多尿という状態かもしれません。

少なすぎる場合は脱水や循環が悪く尿が作れない、または尿は作っているけど物理的に石やできものが邪魔をして出せないことが考えられます。

尿量はあるのに尿の通り道に何らかの原因があって出せないときは、命に関わることも。1日尿がほとんど出てないなら緊急の可能性もあります。

また、膀胱炎などの場合は膀胱に尿を溜めておくことが難しくなるので、ちょこちょこ少量ずつ何回も何回もトイレに行くことがあります。

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排尿するときの様子

また排尿時に痛がったり、尿のキレが悪かったりすることがないかも見てみましょう。

まとめ

わんちゃん猫ちゃんの健康のため、おしっこチェックのポイントは以下の通りです。

  • 排尿は健康状態を知るための大事な情報のひとつ
  • 尿の色が薄すぎる、赤い、濁る、オレンジ色などの時は要注意
  • 臭いはいつもと同じ?キツイ場合は要注意
  • 尿量は増えすぎても減りすぎても良くない
  • 排尿の回数は把握しておこう
  • 排尿時の様子も観察使用

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