こんばんは、ぽこです。
獣医師を10年以上やってます。動物病院でよく聞かれることなどを、なるべく専門用語を使わず、分かりやすく、おしゃべりする感覚で解説していきたいと思います。
今回は現役獣医師の立場から、もし自分が飼い主さんだったらこんな感じで動物病院を選びたいなーと思うポイントをまとめました。
私は個人経営の動物病院とグループ病院がいくつもある企業病院とで働いた経験があります。それぞれにいろいろな患者さん、獣医さんを見てきました。
動物病院を選ぶのは大変です。色々な病院を渡り歩く飼い主様に遭遇したこともあります。紹介するポイントを押さえて、自分に合った動物病院を探す参考になれば嬉しいです。
初めての動物病院での注意点などはこちらの投稿をご覧ください。
①場所
これはまず個人的には最優先事項かと思っています。
近いが一番!!
理由
- 何かあった時にすぐ行ける。
- 動物を連れての移動は短時間の方がストレスが少ない(人、動物とも)。病気の場合は特に!
- 通院に使う時間を節約できる。(通院に半日がかりだとやっぱ大変)
②動物病院のジャンル
一次診療か二次診療か。
一次診療施設は、いわゆる「町のお医者さん」で、いろいろな症状に対して対応してくれます。予防接種からフードの相談、体調不良時など頼りになる存在です。一方で二次診療施設はより高度で専門的な治療ができる大きな病院です。腫瘍科、呼吸器科、循環器科などそれぞれ専門分野があったり、総合的に大きな医療センターになっているところもあり、一般の病院ではなかなか揃えられない機材があったり、専門の経験を持つ獣医師がいたりします。ただ、二次診療施設の多くはホームドクターからの紹介状が必要なことが多いです。
普段のかかりつけとしては一次診療の病院を決めれば十分だと思います。その子に必要であれば二次診療施設への紹介もしてくれるので、まずは頼りになるホームドクターを探しましょう。最近では1.5次診療を掲げている病院も増えてきて、これらは一般の病院よりも専門的な治療ができることが特徴です。ホームページなどチェックしてみるとどんな分野が得意か、症例数が多いかなど情報が出ているので参考にしてみてください。
個人病院かグループ病院か。
個人病院は院長先生が開業し、経営している病院です。規模は院長が一人でやっている小さな病院から複数人獣医師がいる大きな病院まで様々です。私が思う個人病院の強みはいつも同じ先生に診てもらえる安心感です。ただ、規模が小さな病院が多いので休診日や夜間対応が難しいことが難点です。病院によっては、地域の夜間病院や救急病院と提携してる場合もあるので、そういった対応があるのかは要チェックです。企業病院の強みは、グループで複数の病院があること、様々なスキルを持った獣医師が在籍していることです。例えば、特殊な検査が必要になったり、専門医に上診したい場合、グループ内でカルテの共有があり、紹介がスムーズにできます。ただ、獣医師が多い分、異動があったり、いつもと違う獣医師が担当になることもあります。
どちらがいいかは人によって違うと思いますので、それぞれの強み、弱みを知った上で選びましょう。
③獣医師の得意分野、キャラクター
獣医師の得意分野
獣医師は動物の病気について多くを学びます。内科、外科、皮膚科、眼科、腫瘍科、循環器科、歯科…広い範囲をカバーしなくてはいけません。やはり人間なので得意・不得意、好き・嫌いがあります。例えば持病がある子などはその分野が得意な先生を選ぶといいですね。ホームページをチェックしましょう。
獣医師のキャラクター、治療方針
これ、すごく大きい要素だと(個人的に)思っています!相性!
- よく話して、よく話を聞いてくれる先生
- シンプルな説明で淡々としている先生
- しっかり検査をして診断をしてから治療を進める先生
- まずは辛いところをケアしてくれる先生…などなど
本当に獣医師によって同じ病気でも治療の進め方は違います。ここは本当に相性なので、飼い主様が一番大事にしたいところをしっかりケアしてくれる先生と出会えるといいですね。例えば、しっかり話を聞いてほしいのか、また、短時間でポイントを絞って話してほしいのか…対応は全く違いますね。こればっかりは、ホームページや口コミでは分からない事が多く、実際に診療を受けてみての印象で決めなければいけないのが難しいところですね。
④病院のシステム、サービス
予約が取れるか
予約が取れた方が待ち時間が少なく、動物たちにも負担は少なくなります。さらにネット予約ができるとより便利ですね。ただ病院なので予約時間どおりお呼びできないこともあるので、お時間には余裕を持ってきていただけると嬉しいです。
診療時間・休診日
休診日や診療時間も、自分のライフスタイルに合っている病院を選びましょう。大きな病院であれば年中無休のところや、夜間診療があるところもあります。
以下補足
以下は絶対必要ではないけれど、あると安心・便利なものです。
猫ちゃんは猫専用待合室など、猫ちゃんにケアした病院も増えてきています(キャットフレンドリー)。特に怖がりの猫ちゃんなどはそういったケアがあると安心ですね。
また、病院併設でペットホテルやトリミングがあると便利です。持病があったり、高齢であると一般のペットホテルでは預かってくれないこともあります。トリミングも実は皮膚や毛を健康に保つために必要なもので、病院併設であれば高齢な子も対応してくれるところもあります。
⑤病院の雰囲気、清潔感
受付や看護師さんの雰囲気
受付さんや看護師さんが楽しそうにイキイキとお仕事をしている病院は良い病院が多い気がします(個人的な意見)。名前を覚えてくれたり、待ち時間に少し遊んでくれたりすると嬉しいですよね。飼い主さんに対してはもちろんなのですが、獣医師や院長に対しての接し方がポイントかなーと。院長の指示に対して生返事だけとか、コミュニケーションがうまくいっていない可能性があり、いい医療につながりません。確かに大変な仕事ですが、それでもスタッフが楽しそうにしているところはいい環境でいい仕事ができてるんだと思っています。
診察室や待合室が清潔か
動物病院はすぐ汚れます笑
一日掃除しないと毛が舞って大変ですし、エアコンのフィルターも1ヶ月で毛でびっしりになります。病院の業務に余裕がないと、そういったところに掃除が行き届かなくなってしまいます。しっかり掃除ができているかは重要なポイントですね。
また診察室の整理整頓具合も重要です。書類やサンプル、使った後の道具などがそのまま雑然としている診察室は、同じく良くないと思っています。獣医師の仕事の仕方が垣間見えるポイントです。(個人の意見です!)
まとめ
「いい病院」ってその人によって違います。飼い主様の求めることにあった病院を選ぶ参考になったら嬉しいです。この業界の人は基本的に動物が大好きな人ばかりです。全ての人と動物が幸せに暮らせる社会になるといいなあ。
- 近いが一番
- 病院のジャンルや獣医師の得意分野をチェックしよう
- 実際に診察を受けて獣医師との相性を確認しよう
- 予約が取れるといい
- 病院の雰囲気も大切だが、掃除が行き届いているかは要チェック
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