ぽこです。
獣医師を10年以上やっています。動物病院での勤務を経て、現在は一般企業で動物たちの栄養について研究しています。
最近、ペットサプリではメジャーになってきたモエギイガイを使ったサプリメント。1番の大手はベッツペッツのアンチノールという商品です。動物病院での取り扱いも多くご存知の方も多いのではないでしょうか?
私も動物病院で勤務していた頃、たくさんお出ししていました。そんな中で聞いたお悩みが
とてもいいサプリメントなんだけど、値段が高めで続けづらい
そうなんです。やはり続けることで調子がいいのがサプリメントですが、逆に費用面での少しの違いって積み重なると大きいですよね。
しかもサプリメントは保険がききません。
かと言って、正規品でないものをインターネットで購入するのは怖い…
そんな時には他社の製品を検討してみてはいかがでしょうか?他社にも優秀なサプリメントはたくさんあります。
今回は「モエギキャップ」という商品について解説。アンチノールとの違いや、ここが良い!ここがちょっと残念!というポイントをあわせてご紹介。
参考になれば嬉しいです。
モエギイガイって?
モエギイガイまたの名を緑イガイとも呼ばれる貝で、ムール貝の仲間です。全体的に黒っぽいのはイメージ通りですが、貝の縁が鮮やかな緑色なのが特徴です。
ニュージーランド周辺の綺麗な海に生息しています。古くから食材として使われてきた歴史があり、今でもメジャーなシーフードです。
私も一度ニュージーランドへ行った際に食べましたが、身も大きくプリッとしていて、ムール貝の概念を壊され、大好物になりました。スーパーマーケットではネットに大量に入ったものが売られてました。
モエギイガイオイルにはやはり海産物独特の海の香りがします。私も試食しましたが、お魚の香りとイクラを混ぜたような感じです。たまに苦手というわんちゃん猫ちゃんもいますが、多くの子に受け入れられる味ではないでしょうか?
モエギイガイのサプリはどんなの?
大手はアンチノール
モエギイガイを使用したサプリメントで最も有名なのはアンチノールです。
アンチノールは全国6,000軒以上の動物病院で取り扱われている、動物病院取り扱いNo.1サプリメントです。犬や猫の関節、皮膚・被毛、心血管、腎臓、神経・認知機能などの全身の健康を守ります。
原材料
オリーブオイル,PCSO-524,d-α-トコフェロール(ビタミンE),カプセル(牛由来ゼラチン、グリセリン、水)
PCSO-524とは、
独自の製法で抽出した脂肪酸の名称です。 一般的に脂肪酸サプリメントは、EPAやDHAなどのオメガ-3脂肪酸だけを含むものが多い中、このアンチノールは91種類にも及ぶ脂肪酸の集合体である「PCSO-524®」を含む唯一のサプリメントです。
この中には、EPAを超える作用が期待できると報告されているフラン脂肪酸も含まれています。このフラン脂肪酸は非常に不安定で、希少な脂肪酸です。
アンチノールは動物病院または動物病院で発行されるコードを使って公式サイトから購入できます。最近はインターネットでも出ていますが、外箱だけ本物で中身は別の商品だったというようなトラブルもあるそうです。十分気をつけましょう。
こんな子におすすめ
それだけモエギイガイのもっている可能性というものは大きいのですね。実際に私も動物病院で働いていた頃にそれは実感しました。
モエギイガイサプリメントがおすすめなのは
- 高齢のわんちゃん猫ちゃん
- 関節が気になる子
- 皮膚、被毛が気になる子
- 心臓、血管などが気になる子
- いろいろ飲むのが苦手でひとつで済ませたい子
モエギキャップってどんなサプリ?
脂肪酸により関節・皮膚・心血管の健康をサポートするサプリメントです。
原材料
モエギイガイ非極性脂質、魚油、酸化防止剤(トコフェロール)/牛由来ゼラチン、グリセリン、水
モエギキャップのここがいい!
オメガ3脂肪酸含有量はアンチノールより多い
モエギキャップの1粒あたりの多価不飽和脂肪酸は50mgで、うちEPAやDHAなどのオメガ3脂肪酸は42mgも含まれます。一方で、アンチノールは多価不飽和脂肪酸33mgで、うちオメガ3脂肪酸は21mgです。
アンチノールはモエギイガイオイルにオリーブオイルを加えているのに対して、モエギキャップは魚油を加えています。
以前はEPAやDHAといえばマグロの目玉と言われていた時代もあるほど、魚の油には不飽和脂肪酸が豊富に含まれています。
その影響か、モエギキャップのオメガ3脂肪酸の含有量はアンチノールの上をいっています。高齢の子には嬉しいですよね。
価格が安い
サイトにもよりますが、私がみたサイトでは100粒入りで、5975円で1粒あたり59円でした。因みにアンチノールは買い方にもよりますが1粒125円程度です。大きく違いますね。
インターネットで購入できる
広くインターネットで購入できるので、通院の大変さをクリアできます。また、もう家に残りがないのに忙しくて動物病院に行けない…なんてことも心配しなくていいので便利ですね。
用途によってタブレットタイプもある
モエギキャップおよびモエギタブはどちらも関節・皮膚・心血管の健康サポート等を期待した製品です。
◆モエギキャップ:モエギイガイから抽出した脂肪酸(モエギイガイ非極性脂質)に魚油を加えることで高濃度ω3脂肪酸を含有したソフトカプセル
◆モエギタブ:グリコサミノグリカン、コンドロイチン硫酸、ビタミン、ミネラル等豊富な栄養素を含むモエギイガイの抽出物を、給与しやすいようチキンフレーバー等で高嗜好性化したタブレット
モエギキャップ・モエギタブの使い分けや最終的な給与に関しましては、動物病院の獣医師に相談しましょう。
モエギキャップのここが残念!
魚油を含むのでアレルギーには注意
魚油の内容としてまぐろ・いわし・かつおが含まれるそうです。油なのでアレルゲンとなるタンパク質は微量かもしれませんが、魚にアレルギーがある場合は避けたほうがいいかもしれません。
また油を含むのでお腹が緩くなることがあります。油に弱い子、体に合わない場合には給与をやめて獣医師に相談しましょう。
カプセルがアンチノールと同じ牛由来ゼラチン
アンチノールでのお悩みのひとつが、牛肉アレルギーの子です。カプセルが牛由来のゼラチンなので、気になるという方も多いのですが、モエギキャップも同じ牛由来のゼラチンなので、そこが少し残念です。
牛肉アレルギーでなければ問題ではないのですがね。
モエギイガイの含有量がどれくらい?
上記にもありますが、モエギキャップの1粒あたりの多価不飽和脂肪酸は50mgで、うちEPAやDHAなどのオメガ3脂肪酸は42mgも含まれます。モエギイガイ独特の多様な脂肪酸は協働して大きな健康効果があります。特に消炎効果のあるフラン脂肪酸という成分がアンチノールやモエギナールでは表記されています。
もちろんオメガ3脂肪酸にも消炎効果をはじめとする、優れた健康効果はありますが、それが魚由来なのか、モエギイガイ由来のものか、この表示からだと判断できません。ただ、モエギイガイのそれぞれの脂肪酸の働きは製法などによって違ってくること、効果はその子の状態や相性によっても変わってくるので、まずは試してみることをお勧めします。
要するにその子に合っていて、調子が良ければ特に気にすることはありません。
まとめ
モエギキャップはアンチノールと違うところもあるけど、メリットもたくさん。気になる方は試してみよう。
- アンチノールと同じように低温抽出をしたモエギイガイオイルを使用したサプリメント
- アンチノールはオリーブオイルを使用しているがモエギキャップは魚油を使用
- 含まれているオメガ3脂肪酸はアンチノールよりも多い
- カプセルは同じ牛由来ゼラチン
- 貝、牛、魚アレルギーの子は注意
- 価格はだいぶアンチノールよりも安い
- インターネットでの購入ができる
- やってみて調子がよくて、効果が変わらないなら変えるのもひとつの方法
- 体調に不安がある場合は獣医師に相談してみましょう
他社製品で「モエギナール」の解説はこちら
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