室内飼育のねこちゃんでも安心できない?寄生虫の意外な感染経路。

どうぶつ

ぽこです。

獣医師を10年以上やってます。動物病院でよく聞かれることなどを、なるべく専門用語を使わず、分かりやすく、おしゃべりする感覚で解説していきたいと思います。

今回は春になり、暖かくなったのでノミやマダニなど寄生虫の予防についてです。暖かくなると、当然虫たちも元気に活動を始めます。ノミは気温が13℃以上になると活動を始めるそうです。最近では冬も暖かいので、通年で予防でもいいくらいですね。

わんちゃんはこの時期、予防注射などで一緒に予防薬をもらうことも多いかと思います。一方猫ちゃんはどうでしょう??

うちの子外に出さないから、虫がつくことないでしょ。だからお薬もいらない。

こう言われる方、とっても多いです。ただ、完全室内飼育であっても、虫がつく危険があるのです。お外に出ないから100%安心ではないんです。その理由を解説していきます。

実際にあった室内猫ちゃんのケース

実際の症例で、マンションの10階に住んでいて、お外に出たことのないねこちゃんが皮膚トラブルで受診したことがありました。

原因はなんとノミ寄生!

今までノミの予防はしたことがなかったそうです。どこからうつったのか全く心当たりがないそうです。治療したら猫ちゃんはすっかり良くなりましたが、お家の掃除や殺虫剤を焚いたり、飼い主さんは本当に大変だったそうです。

意外なところから入り込む!感染経路はどこ??

ノミ・マダニ

基本的に外にいる虫ですが、目に見えないくらい小さいので気づかずに家の中へ持ち込んでいることがあります。

①屋外で感染する

たまにリードをつけてお散歩に出たり、脱走したりすることで感染してくることがあります。また、お庭やベランダでも、野良猫が出入りしていたりすると、ノミなどが落ちていて感染することもあります。

②同居猫や他の猫からうつる

その子は外に出なくても、同居猫ちゃんがお外で感染してくるケース。また、遊びにきた他のお家の猫ちゃんが感染してた場合やお庭に出入りする野良猫と接触することでも感染する可能性があります。

③飼い主さんの服や靴に虫や卵が付着

草むらを歩いたときなどに付着したり、他の猫ちゃんを触ったりした際に持って帰る可能性があります。近所に野良猫がいたりするとリスクは大きくなります。

フィラリア症

蚊に刺されて感染する寄生虫です。蚊が入ってくるところであれば可能性があります。

例えばお部屋の窓、玄関など。人が刺されるのであれば、猫ちゃんも刺されると思いましょう。

お腹の寄生虫

子猫で、母乳からの感染もありますが、その他グルーミングや、虫などを食べたりすることでも感染します。

①屋外での感染

たまにお散歩にでたり、脱走した際に感染することがあります。野良猫のうんちには寄生虫の卵がある場合があり、それが付着し、グルーミングなどで口に入ると感染します。

②他の猫からの感染

同居猫や遊びにきた猫ちゃん、野良猫などとの接触やトイレの共有で感染します。特に新しく子猫ちゃんを迎えた時や野良猫を保護した時には、元からいた猫ちゃんへ感染をしないように注意が必要です。

③寄生虫をもった虫やネズミを食べる

寄生虫の幼虫をもったネズミやゴキブリ、ノミなどを口にすることで感染することもあります。

当てはまったら予防を検討!

□少しでも外へ出る(お散歩、庭、ベランダ)、同居のわんちゃんがいる

□同居猫や他の猫と接することがある

□家に蚊がいる

□飼い主さんに小さな子供がいたり、草むらを歩くことが多い

まとめ

いかがでしたか?実は室内飼育の猫ちゃんでも寄生虫感染する可能性が意外とあるんです。通年での寄生虫予防をおすすめします。首の後ろにつけるスポットタイプのお薬を月に1回つけるようにしましょう。

  • 外に出る子は予防必須
  • 他の猫ちゃんとの接触に注意
  • 飼い主さんが持ち込むこともある
  • 蚊やネズミなどからうつる寄生虫もいる

コメント

タイトルとURLをコピーしました