動物病院1年目のみんなに伝えたい。頑張りすぎなくていいよ。1年目を乗り切るポイント解説

キャリア・転職

ぽこです。

春ですね。動物病院では予防シーズンという年で一番忙しい時期です。同時に新入社員が入ってくる時期でもあります。1年目の皆さんそろそろ仕事に慣れてきましたか?疲れてきていませんか?

獣医師を10年以上やっています。水族館という異業種から動物病院へ転職して、今や動物病院でのキャリアの方が長くなりました。

今でこそ、バリバリ仕事してますが、転職当時はもう不安だらけ。なんせ新卒から動物病院で勤務していた同級生たちはもう開業してたり、副院長になっていたり…そんな中私は完全なる初心者マークです。さらに、家庭の事情で動物が飼えなかった(魚は飼ってました)ので、動物病院という場所にいく機会もなく、具体的なイメージもないままの就職でした。

まあ、本当にピヨピヨしてる状態でのスタートだったので大変でした。特に1年目は仕事に出ているだけでもうへとへと…落ち込むことも多々ありました。そんな中で感じたことをまとめます。

1年目を乗り切るには

できなくて当たり前

周りを頼りながら、巻き込みながら成長

勉強することは自分を助ける

以上3点のポイントがあると思っています。

動物病院1年目の心がまえ

獣医師国家試験に通り、獣医師であったとしても、現場は何事も初めて。大学であれだけ勉強したのにと思いますが、実際に大学で習うことなんて今から思うとほんのちょびっとです。獣医だから出来なきゃいけないなんて気負う必要は始めはほとんどありません。

獣医師だから、看護師だからとか関係なく、まずはできることをどんどんやりましょう。「今こうしたら邪魔にならないかな?」とか色々考えるよりも単純な方がいいです。気になるなら聞いてから動けばいいだけ。汚れてたら掃除する、片付ける、先輩を手伝う。

できなくて当たり前!

せっかく何かやるチャンスが巡ってきたとしても、最初から器用になんでもできる人は少ないです。できなくて当たり前!これからできるようになっていけばいいんです。

出来ないことを避けないで。最初の壁は保定⁉︎

最初は保定なんてできない

まず1年目の獣医でも看護師でもぶつかるのが「保定」の壁ですね。保定とは動物が動かないようにしっかりと押さえることです。力任せにおさえればいいってものではなく、関節などポイントをしっかりおさえることで動物の動きを制限することができます。診察や処置、採血などの際にとても重要になってきます。

これが初めてだとなかなか難しい。力を入れすぎると動物が嫌がって暴れるし、力を抜くと逃げられそうになるし…挙句のはてに先生に「ちょっと誰か交代して!」と言われ、自分があれだけ頑張ってもおさえられなかったのに、先輩がやると嘘みたいに大人しくしている。

まあヘコみますよね。

でもそれは当たり前です。そこで切り替えが重要。

眺めてるだけはNG!

「交代して」って言われると、「あ、もう自分ではできないんだ」と、スススーーーっと部屋のはじに行ってしまう新入社員の子が多いです。そして遠くから眺めている…忙しい時などで先生の語気が強いかもしれませんが、決してその子自身を否定しているわけではないのです。(獣医師はそういうとこ下手な人が多い気がする笑)今後もやらないでとか絶対思っていません。

眺めていてもできるようになりません。裏で薬を作ったり、掃除をしたり、できることだけやっていると安心する気持ちは本当によくわかりますが、ぜひ、おとなしい子が来たら積極的に挑戦してください。

ここを意識すると伸びる!

先輩に聞いたことを自己消化

きっと色々なことを教わって頭の中パンクしそうな状態かと思います。そして私が新入社員の頃に一番混乱したのが

聞く人によって言うことが違う

これ、どの会社でもあるあるではないでしょうか。機械の使い方や検査の仕方などはマニュアルがあるのでそれを参考にすればいいのですが、動物のこととなると正解がわかりません。

診察に出たての時に先輩に聞きながらやるのですが、「これはちゃんと血液検査やレントゲン検査までした方がいい」「いや、別に対症療法でいいんじゃない?」と全然違う方向性のアドバイスをもらうことも少なくないです。今から思うと当たり前ですが、「病気を治す」と言うゴールへの道筋は何通りもあり、獣医師によって考え方が違うのも当然です。でも当時の私は「結局どうしたらいいんだろう」と困っていました。

結論は「自分で決めなければいけない」です。

色々な意見を自分の中で噛み砕いて消化し、自分で勉強してきたこと、経験などから総合的に考え、最終的に自分がどうするかを決めていく。なぜならその子の主治医は自分だからです。〇〇先生がこう言ったからと他責にせず自分の責任で決めて、決めた方針を先輩にちゃんと報告して進めていきましょう。あまりにも無謀であればちゃんと止めてくれますから大丈夫です。

これを繰り返していくことで、自分の中での引き出しが増え、経験として積み上がっていきます。それぞれ違うことを言われても、それぞれの意図があるのでそこを考える癖がつくと、いずれ大きな力になっていきました。

出来ないことは出来ないと言おう

「この検査やっておいて!」と言われ、まだ出来ないのに「はい」と言ってしまった。

薬を作らなきゃ間に合わないのに、保定も頼まれてしまって困った。

上記は新入社員で実際によくあることです。まだ出来ないことも勢いで「はい」と言ってしまう。(これは指示する方が忙しそうに言い捨てるから、そのせいもありそうだと個人的には思うが)色々な業務を頼まれすぎて、いっぱいいっぱいになってしまう。つい「はい」って言っちゃうのはよく分かります笑

でも出来ないことはちゃんと伝えましょう。「すみません、やったことないです」「すみません、今薬を作っていて手が離せません」それで怒られることってよほどのことじゃないと無いと思う。最初はひとつずつ丁寧に仕事ができれば十分です。スピードは後からついてきます。自分の状況を相手に伝えられるようになりましょう。

実践してナンボ!挑戦しよう

獣医師も動物看護師も技術職です。いくら机上で勉強しても、実践した方が断然上達は早いです。むやみやたらに全部やりたいと言うのは無しで、先輩にやっていいか相談してやりましょう。また、前もって「これをやりたい、やってみたい」と周囲に伝えておくのもいいです。

「この検査は〇〇さんやってみる?」「今後の避妊手術に助手で入る?」と声がかかる確率が上がります。

周りを頼りながら、巻き込みながら成長していく

自分で勉強することは必須

業務は教えてもらえますが、実際の動物のことはそれだけでは不十分です。日々獣医療も進歩しているので、自分で本を読んだり、セミナーを受けたりして勉強することはとても重要です。年配の先生だと、たまに治療法がアップデートされていない場合もあります。前述で人によって違うアドバイスが来たりすることもあるので、しっかりと自分でも勉強をしていくことをお勧めします。そのうちにバラバラだった知識や経験が一本に繋がってきますし、興味のある分野が出てきてより楽しくなります。

勉強することは自分を助ける

最初から獣医書籍を読むよりは、看護師さん向けの雑誌などが分かりやすくまとまっているのでおすすめです。また、イラストで分かりやすく解説してある本もあり、私は後輩指導でも使っています。獣医師向けの内容ですが看護師さんにも使えるスキルがかわいいイラストで紹介されています。

頑張りすぎないことも大事

1年目は「早くできるようにならなきゃ」「頑張らなきゃ」と肩肘はってやりがちですが、いい仕事をするためにはちゃんと休んで、遊んでくださいね。まだ始まったばかりでこれからどんどん辛いことや苦しいことも増えてきますが、動物病院は楽しい職場です。毎日楽しく仕事ができることを祈っています。

将来的な目標は人によって違いますが、やりたいこと変わってもいいんです。やっていくうちに違う世界が見えることもあります。「3年は続けろ」とか言う人もいますが、自分がやりたいことをやるために転職したり、病院を変わったりすることは悪いことではないと思っています。一つの職場だけが世界ではないので頑張りすぎず、楽しみましょう。

まとめ

動物病院1年目は緊張と忙しさと色々大変ですが、私が伝えたいことは

  • 出来なくて当たり前!
  • 周りを頼って、巻き込め
  • 勉強することは将来の自分を助ける
  • 頑張りすぎず、時には方向転換したっていい

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