ぽこです。
獣医師を10年以上やっています。動物病院や一般企業での勤務経験から動物たち、飼い主さん、動物病院スタッフに役立つ情報発信を心がけています。
今回はドライシャンプーについて。
みなさん、ドライシャンプーってご存知でしたか?私は恥ずかしながら動物病院に勤務して初めて知りました。すすぎがいらないシャンプーです。
動物たちのシャンプーというと、かなり大仕事ですよね。特にお風呂嫌いだったり、元気で動き回ってしまう子なんかはもう大騒ぎですね。シャンプーはできても、その後のドライヤーも大変。
あと、猫ちゃん。SNSなどではまったりお風呂に入る猫ちゃん動画などありますが、実際、大多数の猫ちゃんはお風呂が苦手なのではないでしょうか。
そんななか、おむつをしていて毛に汚れがついてしまった、お散歩後の足をキレイにしたい、フケが気になる…でもこれでシャンプーするのか…
そこで活躍するのがドライシャンプーなんです。これ、動物病院でもよく使っていました。日常使いから介護まで幅広く使えます。みなさんのシャンプーめんどくさい、大変というお悩み解決の助けになれば嬉しいです。
ドライシャンプーってどんなもの?
ドライシャンプーは洗い流す必要のないシャンプーです。アルカリ電解水などを使用していることが多く、汚れを浮かせてくれます。通常のシャンプーの方がもちろん理想で、効果もありますが、ドライシャンプーはケアの補助として使うにはとても便利です。
粉タイプ
汚れ落ち:△ 臭い対策:○ ドライ:○ 手軽さ:◎
粉タイプのドライシャンプーはものすごく手軽でいいのですが、汚れ落ちがやはり今ひとつという印象です。あとは粉なので白っぽくなることもあります。
毛が濡れないことと、臭いを緩和することがメリットなので、急いでいる時や手早くちょっとした部分をキレイにしたい時などに適しています。
液体タイプ
汚れ落ち:○臭い対策:○ ドライ:△手軽さ:△
液体タイプはスプレーボトルに入っていることが多いです。霧吹きのようなイメージですね。あまり人の手を濡らすことなくシュッシュッとできるところがいいですね。
汚れ落ちは良く、広範囲に使いやすいです。ただ、毛が濡れてしまうので、場合によってはドライヤーが必要になることも。
泡タイプ
汚れ落ち:○臭い対策:○ ドライ:△手軽さ:○
泡タイプは使いやすく、汚れ落ちもいいです。泡だと液体と違って垂れたりしづらいのでポイントへのケアに使いやすいと思います。
ただ、たくさん使うとやはり毛が濡れてしまうこと、広範囲だとちょっと大変なこと、人の手に出してから使用するので手が濡れてしまう点がデメリットです。
ドライシャンプーはこんなに便利
基本的な使い方
気になる部分や全体的にドライシャンプーをつけます。毛の長い子なら毛を少し持ち上げて浮かせながらやるとムラなくできます。その後、ブラッシングをしたり、タオルで浮いた汚れなどを拭き取ってあげましょう。この時、ぬるま湯でしぼったタオルだとより汚れが取れやすいです。
タオルは縦長の半分を濡らし、もう半分を乾いた状態で使い分けをすると洗濯物も減りますし、動物を押さえながら持ち替えたりしないで済みます。
もし、毛が濡れて気になるようならタオルドライ後、ドライヤーで乾かしてあげましょう。
※わんちゃん猫ちゃんの皮膚はとってもデリケートです。強くゴシゴシしないように気をつけましょう。
こんな用途にドライシャンプーが◎
日常ケアに
日常ケアに使うことで日々の手間が少なくなることがあります。
お散歩帰りの足をキレイにしてあげる際にいかがでしょうか。特に毛の長いわんちゃんは洗ってもなかなか乾かすのが大変ですよね。湿気が残ってしまうと場合によっては指間炎を起こすことも。指の間に炎症がおき、痒みや赤み、瘡蓋などがたまることがあります。
また毛の長いわんちゃんは排泄時にどうしても汚れがちです。パピヨンやロングコートチワワなどお尻周りの毛ににこびりつきができちゃうますよね。
汚れたからと毎回シャンプーは大変。そんな場面でもドライシャンプーは活用できるかと思います。
おむつ後の清拭に
介護でおむつをしている子はもちろん、最近ではマナーウェアとしておむつをつける子も多くなってきました。
おむつも段々と品質が良くなってきていますが、やはり毛があるとどうしても汚れてしまいます。特に緩いうんちだったり、大量のおしっこだったりするとおむつ下の毛までぐっしょりなんてことも。下半身だけシャンプーしたりすることもありますが、なかなか大変。特に寝たきりだったり、体調がすぐれない子には毎回それをやっていると負担も大きくなります。(介護のためにお尻周りの毛刈りを動物病院で頼まれたこともあります。)
汚れや湿気がずっと皮膚に付いている状態だと皮膚も炎症を起こし、赤みやタダレなどが出てくることもあります。(いわゆるおむつかぶれ)
そんな時にささっと使えてすすぎの必要がないドライシャンプーはとても便利です。
フケ、乾燥が気になる子に
また、病院で治療するほどではないけど、乾燥気味でフケがよく出る子がいます。もちろん保湿剤を使うことがおすすめなのですが、保湿剤だけだと汚れが落ちづらい…そんな時は保湿成分を配合したドライシャンプーを定期的にしてあげることで皮膚を清潔にしてあげるという方法もあります。
一般的なシャンプーがなかなかできない猫ちゃんなどにおすすめです。
高齢の子のケアに
高齢や持病があり、通常のシャンプーがあまり出来ない子にドライシャンプーはおすすめです。やはり通常のシャンプーは高齢だったり、身体が弱っている子にはなかなか負担になることが多く、ぐったり疲れてしまうこともあります。(そんな子には訪問トリミングという方法も!)
だからといってシャンプーをしないとニオイやフケ、汚れなどが気になりますよね。すすぎのいらないドライシャンプーは負担を軽くし、かつ皮膚を清潔にしてくれます。
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獣医師おすすめドライシャンプーの選び方
じゃあどんなドライシャンプーがおすすめか?
わんちゃん猫ちゃんに使用するので、獣医師としておすすめできる製品の条件は以下の通りです。
なめても大丈夫なもの
わんちゃん猫ちゃんの身体に付くものなので、基本的に口にすると考えましょう。なぜなら身体が濡れたと感じたら彼らはそこを舐めてしまうことが多いからです。
これは塗り薬や消毒などでも同じです。
なので口にしても大丈夫なものを選びましょう。アルカリ電解水などを使用しているものが多いですね。
アルコールフリー
中には濡れた毛を早く乾かすためにアルコール成分が入っているものがあります。確かに揮発性があるので早く乾くのですが、皮膚への刺激と乾燥があることが弱点です。
保湿成分が入っているもの
皮膚は濡れることで外的刺激に弱くなります。皮膚バリアも壊れやすくなるので、保湿成分が入っているものがおすすめです。
刺激が少ない
個人的には香りのないものが好きです。特に海外のメーカーのものなど香りが強いものがあります。飼い主さんの好みにもよりますが、香りでニオイをマスクするものより、銀イオンなどで消臭効果があるもののほうをおすすめしていました。
まとめ
意外とドライシャンプーって活用できるんです!
- シャンプーほどの効果まではないが、補助ケアとして有用
- 粉タイプ、液体タイプ、泡タイプなどがあるので目的によって選びましょう
- お散歩後の足拭きや排泄後のケアとして日常使いできる
- おむつをしている子の清拭やおむつかぶれ予防にも使える
- 高齢でなかなかシャンプーができない子のケア
- なめても大丈夫なものを選ぼう
- 刺激が少なく保湿成分が入ってるものがおすすめ
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