動物病院嫌いって実は損してるかも!経験をまじえて解説

動物病院

ぽこです。

獣医師を10年以上やっています。獣医師って動物に嫌われることが多いんですね。なんせ嫌なことばっかりするので。こっちは大好きなんですが、なかなか想いが通じないことも多々あります。

おうちのわんちゃんや猫ちゃんは動物病院が好きですか?

だいたいの動物たちは動物病院が嫌いなことが多いかと思います。でも、実はそれ、ちょっと損してるかもしれません!

動物病院が嫌いすぎると必要な医療が受けられないかもしれないんです!

実際の経験もまじえて解説していきます。そしてどうやったら動物病院に慣れるか、その方法も紹介します。

どうして動物病院が嫌い?

初めて動物病院に来る子犬や子猫はあまり怖がらない子が多いです。1回、2回とワクチンなどの処置をしていくとだんだん嫌がるようになってきます。

おそらく動物病院は「怖い、痛い、嫌なことがある」場所だと認識をしてしまうことから、嫌いになってしまうのではないかと考えられます。

意地でも診察室に入るのを拒否するわんちゃん、キャリーから全然出てこないで籠城する猫ちゃん‥これは割と日常的にあります。

動物病院が好きな子はいる?

実はたまにいます!笑

以前勤めていた病院の患者さんは、ミニチュアダックスさんで、動物病院にくるのが大好き。待合室で看護師さんみんなに挨拶して回り、診察台の上ではお腹を見せてヘソ天。

猫ちゃんでも診察台の上でひたすらゴロゴロのどを鳴らして、すりすり‥なんていう子も。(これはこれで聴診しづらかったりもありますが笑)

基本的に動物病院が好きという子は少ないので、スタッフのアイドルです。

「今日〇〇ちゃんがワクチンで来るよー」

「えー!会いたい♪」

こんな会話が裏では繰り広げられています。

動物病院嫌いだとこれが大変

診療がひと苦労

緊張でガチガチ

まず、あまりの恐怖にガチガチに緊張してしまい、身体検査などが充分に出来ない場合があります。痛みなどがあっても我慢してしまったり、逆にどこを触ってもギャン鳴きしたり‥

例えば、「足が痛そう」と受診したのに、診察になったら部屋の隅で固まって動かない。緊張で動けないのか、足が痛くて動かないのか?

獣医師もプロなので、ちゃんと診ていきますが、中にはとっても難易度の高い子がいるのも事実です。

恐怖のあまり大暴れ

たまに恐怖のあまり大暴れしてしまう子も。逃亡、噛む、引っ掻く‥そうなると捕まえて押さえて診察をすることもあります。本意ではないのですが、人と動物の安全のために「保定」をする場合もあります。

当然動物たちにとっては、ストレスでまた怖い思い出になってしまい、悪循環です。

なかにはものすごい勢いのファイターもいます。飼い主さんもスタッフも手がつけられず、本格的な検査や処置に麻酔が必要になるケースもあります。

病気の発見が遅れる

飼い主としてはかわいい家族が嫌がることは極力避けたいですよね。

「うちの子は病院嫌いだけど、病気知らずだから」

と、健康診断や予防接種を控えてしまう飼い主さんがたまにいらっしゃいます。そのまま天寿を全うできれば良いのですが、いざ病気になってしまうとこれが大変。

動物たちは人よりも歳をとるスピードがはやく、病気の進行も、思いのほか早いことが多いです。

「自然に治るかも。この子は病院嫌いだからもう少し様子を見よう」と受診が遅くなってしまうと手遅れになってしまうことも。

入院がストレスで治療が充分受けられない

動物たちも入院が必要になることがあります。入院でないとできない治療、入院の方が効果的に治療ができることがあります。

分離不安だったり、病院が嫌すぎる子のなかには入院治療を受け付けないタイプもいます。

もちろん、ほとんど全てのわんちゃん猫ちゃんにとっては入院はストレスです。お家や家族と離れて、きっと怖い思いをしていると思います。だいたいの子は徐々に慣れて、スタッフや担当医に心を開いてくれるのですが、なかには全く何も受け付けない子もいるんです。

ずっと声が枯れるまで鳴き続けたり、ケージを噛んだり、爪から血が出るまで引っ掻いたり。点滴のチューブを毎回引きちぎってしまう子も。

あまりにも重度で入院継続が難しいと判断した場合には、飼い主さんと相談して、通院でやれることを検討する場合もあります。そうなるとできる治療が限られてしまうこともあります。

動物病院に慣れるには?

普段から動物病院を利用しよう

動物病院って病気の時以外にも活用できるさまざまなサービスがあるって知っていましたか?

動物病院によっても違うので、かかりつけを確認してみましょう。ちょっとお散歩ついでに寄って、看護師さんに挨拶するだけでもOK!

動物病院で「痛い、怖い」思いをしないことが大切です。お散歩ついで、お手入れなどで日常的に動物病院を利用してみてください。

おやつなど効果的に使う

それでも予防接種などで、どうしても痛いことをしないといけない場合もあります。そんな時はとっておきのご褒美を用意してください。

注射頑張ったら(確認を取った上で)診察室でおやつをあげましょう。獣医師におやつを渡して獣医師からあげてもらうのも効果的です。そんな飼い主さんも多くいらっしゃいます。

また、獣医師によっては診察室におやつを用意してることも。いずれにしても、最終的に動物病院で良いことがあるという思い出を作ってあげるといいですね。

移動のキャリーなどは常に置いて慣れる

猫ちゃんに多いのですが、基本的に外出をしないので、キャリーバッグ=動物病院=嫌だ!という認識になってしまいがちです。

「先生、連れてくるの大変なんだよ。キャリー見せただけで逃げてくんだよ。」

これ、よく聞きます。

こんな場合は、日常生活のスペースにキャリーを置いてみましょう。猫ちゃんが自由に出入りできるようにすることがポイントです。

隠れることができて、安心な場所だと思ってもらいたいです。おやつを中に置くのも効果的です。慣れてきたら、たまにキャリーに入れてお出かけしてみましょう。ただ出かけるだけで何もしないで大丈夫です。

「キャリーに入っても動物病院に行くとは限らない」と思ってもらえたらいいですね。

このトレーニングはわんちゃんでも同じことです。そして災害時などでも役に立つのでぜひチャレンジしてみてください。

まとめ

動物病院を嫌がる子は多いですが、あまりに重度になると必要な医療が受けられない可能性もあります。出来るだけ慣れてもらえるとストレスも少なく、健康管理にもいいことたくさんありますね。

  • 基本的に動物たちは動物病院が嫌い
  • 痛い、怖い、嫌な思い出があるので動物病院を嫌いになってしまう
  • 動物病院が嫌いだと処置や診療に影響がでることも
  • 必要な治療が受けられない可能性
  • 検査に麻酔が必要になることもある
  • 対策として、普段から動物病院を利用して慣れてもらう
  • 動物病院へ行く時はおやつなどご褒美を用意する
  • 普段からお出かけ、キャリーバッグに慣れておく

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