ぽこです。
獣医師を10年以上やっています。動物病院や一般企業での経験をもとに飼い主さんの役に立つ情報発信を心がけています。
最近、ペットカートって増えましたよね?
一見、ベビーカーかと思ったらわんちゃんだった!そう思うくらい、オシャレで機能的なカートが販売されています。
実際に動物病院にはカートに乗ったわんちゃんや猫ちゃんがたくさん来院します。そこで見たこと、感じたこと、飼い主さんの生の声を聞いてきて思うのが
ペットカートって便利!
否定的な意見もあるカートですが私は一個人として、獣医師として、とても便利なアイテムだと思います。その理由と、カートを選ぶ時のポイントを解説します。
ペットカートに対する否定的なご意見
ペットカートにわんちゃんを乗せてお散歩しているのを見て、私の母は、
なんだかお犬様みたいね。どっちが散歩してるんだか…
過保護だ、甘やかしすぎと言って、あまりいい顔をしませんでした。おそらくこんな意見を持つ方は他にもいらっしゃるのではないでしょうか?
確かに犬の散歩のはずなのに歩いてるのは人っていう、ちょっとおかしな状況ですよね。でもカートに乗せることで、いいこともたくさんあるんです。以下で解説していきます。
ペットカートのいいところ
高齢な子、持病がある子の移動に便利
動物病院で働いていて感じたのはまずこれです。
高齢の子や持病がある子の移動にとても便利だと感じました。足腰が弱っている、椎間板ヘルニアなどでうまく歩けない、心臓や呼吸器の問題で少し動いただけでハアハアしてしまう…動物病院にはそんな子がたくさん来ます。
今までは抱っこやキャリーバッグに入ってくることが多かったのですが、抱っこしながらの会計が大変だったり、キャリーの持ち運び、キャリーバッグへの出し入れが大変だったり、そんな場面をよく見てきました。
その点、カートだと移動もスムーズ、出し入れも大きな出入り口からスッとできます。ああ、これはいいなと感じました。
また、そんな持病があってお散歩が難しい子も、カートであれば外の空気をすったり気分転換に軽いお散歩(外気浴)ができることもメリットです。
安全な移動に便利
わんちゃんを連れてのお散歩、移動は安全な道路だけではありません。中には交通量が多かったり、人混みだったり、真夏でアスファルトが熱くなってたりすることもあります。
リードだけだと人混みの中、背丈の低いわんちゃんを歩かせることはとても大変です。特に小型犬など踏まれてしまいそうですよね。
そんな時、カートならわんちゃんにとって危ないところを通る際には乗せて、安全な広い場所に着いたらおろしてあげる。そんな使い方もいいのではないでしょうか?
多頭飼いの移動に便利
同様の理由で多頭飼いの場合の移動にも便利です。これは実際に患者さんが熱弁していました。そこのお家はチワワが2匹いたのですが、元気いっぱいで、で2匹同時にお出かけすることがかなり大変だったとのこと。カートを導入したら
先生、もうこれ、ほんっとに便利よー
と、おっしゃってました。1匹でも元気いっぱい動き回ると大変なのだから、2匹以上になるとリードが絡まったり、どっちかが止まっているのに相方は進んでしまうとか、気を使うことがたくさんあります。さらに上記のように人混みや交通量の多い道路などを通らなければいけないのであれば、なおさらですね。
荷物をのせられる
さらに便利なことに、カートにはちょっとした荷物がのせられるんです。
わんちゃんとお出かけするとなると、意外と荷物が多い。トイレ用の袋、水、ペットシーツからおやつ、飲み水などなど。キャリーバッグだと全てを手持ちしなければいけません。その点、カートなら下に荷物をのせてしまえばいいのです。
私はよくベビーカーに荷物をたくさんのせてしまいます。何かと荷物が多くなる時は本当に有難いです。わんちゃんと子供はまた少し違うかもしれませんが、大変さはよく分かります。
ペットカートの弱点
狭いところが通りづらい
ペットカートの最大の弱点はこれ。狭いところが通りづらい、または通れない。
診察室でよくあるのが、狭い診察室だとカートが入ったらもういっぱいいっぱいで飼い主さんが身動き取りづらいというパターンです。
臨機応変にわんちゃんの出し入れで対応できればいいのですが、なかなか狭い通路など難しいことも。
カートでのお出かけは事前に通りやすいかをチェックしてあると安心ですね。
段差や階段が大変
これはベビーカーでもペットカートでもそうなんですが、段差や階段があるとぐるっと迂回しなければいけなかったり、エレベーターを探したり、地味に大変ですよね。
1〜2段ならいいのですが、場合によってはわんちゃんたちを下ろして登ることも考慮しておきましょう。やはりお出かけのコースによりますね。
おすすめカートはこんなの!
わんちゃんの体格にあった大きさ
動かすことを考えると、なるべくコンパクトなものがいいのですが、わんちゃんの体格や、乗せるわんちゃんの数によって大きさは選びましょう。
たまにジャストサイズでみちっと入っていることを見るのですが、わんちゃんが自由に体勢が変えられるスペースくらいは確保しましょう。
通気性よし、洗える素材
カバーなどがメッシュになっており、通気性が良いものがおすすめです。やはりカートの中は温度が上がりがちなので通気性は大切かと思います。
そしてやはり衛生面を考えると中のクッションなどが取り外して洗えるものがいいですね。
動物病院ではカートで粗相してしまう子もよく目撃しました。ペットシーツを敷いたりしても汚れることもあるので、想定しておきましょう。
リードがつけられるもの
カートの壁はある程度高さがあり、なかなか乗り越えられないとは思いますが、なかには頑張って乗り越えちゃう子もいます。そんな頑張り屋さんのわんちゃん、落下、逃走防止のためにカート内で短めのリードがつけられるものが安心ですね。
クッションやサスペンションをチェック
そして、私がベビーカーを使って意外と感じたのが、ガラガラ道を歩いていると振動がすごい。舗装された道路であってもちょっとした段差や溝で手に伝わる振動は意外に強いものでした。
そのためベビーカー、ペットカートともにサスペンションや衝撃を吸収するクッションなどが装備されているものが、乗っているわんちゃんや赤ちゃんへの衝撃が少なくていいのではと感じます。
私はちなみにコンビのベビーカーを使用していますが、赤ちゃんの頭を衝撃から守るためにエッグショックというクッションがついていました。
そのベビーカーのメーカーであるコンビがペットカートを出しているというではありませんか。あのエッグショックも使われているとのこと。かなりお値段もしますが、高齢の子などにはやはり衝撃吸収できるようなカートがいいのではと感じました。
まとめ
ペットカートはかなり有力なアイテム
- 人混みや熱い道路からわんちゃんを守ることが出来る
- 高齢だったり、持病がある子の外気浴にぴったり
- 通院にも便利
- 多頭飼いの移動に便利
- 狭い通路や段差は注意
- 衛生面や通気性をチェックして選ぼう
- クッションやサスペンションもチェックして選ぼう
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