【獣医師解説】犬猫の飲水量や排尿チェックってどうやるの?

動物の病気について

ぽこです。

獣医師を10年以上やっています。動物病院や一般企業での勤務経験をもとに、飼い主さんや動物たち、動物病院で働くみなさんに役立つ情報発信を心がけています。

おうちで飼っているわんちゃん猫ちゃんも病気になることがあります。特に動物たちも高齢化のため、さまざまな病気が見られるようになってきました。

なんか最近お水をよく飲むようになって…

なんか最近おしっこが増えたような気がして…

そんな言葉を飼い主さんから診察時に聞くことも多いです。そんな時に獣医師は、なんと言うか。

じゃあ1日の飲水量とおしっこの量を測ってみてください。

これ、実は困りますよね。水を飲んだ量やおしっこの量なんてどうやって測ったらいいんだ??

今回は飲水量や排尿チェックのやり方を簡単に解説します。参考になれば嬉しいです。

排尿回数ってどれくらいが正常?

大まかにわんちゃん、猫ちゃんの排尿回数は1日に3〜5回程度です。猫ちゃんで水をあまり飲まない子であれば2回程度かもしれません。

ただ、この回数は年齢や季節によっても変わります。また小さな子犬や子猫の場合は膀胱の大きさが十分ではないため、長時間尿を溜めておくことができません。7〜8回程度の排尿でも正常です。また、高齢になって来ると膀胱周囲の筋肉が弱ってきて排尿回数が増える傾向にあります。

季節によっても。夏はたくさん水を飲むのでその分排尿の回数、量共に増えます。逆に冬は寒くてあまり水を飲まなくなるため回数も量も減る傾向にあります。

回数のチェックはペットシーツのシミや猫砂の塊を見れば何となく把握できます。ただ、量が多すぎたり多頭飼いだと難しいですね。

日中ずっと見ていられない場合はペットカメラやAIを使って排泄が記録できるトイレなどが販売されています。最近はアイテムがたくさんありますね。

どうやって異常かを判断するの?

ではどうやって正常か、異常かを飼い主さんが判断すればいいでしょうか?

ドライフードを食べているわんちゃんでは1日の飲水量は体重1kgあたり20〜90ml 、尿量は体重1kgあたり20〜45ml が正常だと言われています。ちなみにウェットフードを食べていると、あまり水を飲んでいなくても水分が摂れていることもあります。

体重5kgとすると、1日に100〜450mlのお水を飲み、おしっこが100〜225ml程度が通常と計算されます。

ちなみに1日の飲水量が体重1kgあたり100mlを超え、尿量が体重1kgあたり60mlを超えてくると病気などが懸念される、多飲多尿と言われる状態です。先程の例だと、体重5kgのわんちゃんが1日に500mlのペットボトル1本以上のお水を飲む計算になります。かなりな量ですね。

この大体の目安を超える量を継続して飲んだり、排泄したりする場合に病気が疑わしいと考えられます。

飲水量や尿量を自宅でチェックする方法

たまに1ml単位で毎回測ってくださる几帳面な方もいらっしゃるのですが、よほどの事が無ければだいたいで大丈夫です。飼い主さんがあまりに一生懸命トイレを見張っていたからか、動物がトイレを我慢してしまうことも聞いたことがあります。

飲水量のチェックのやり方

水を飲んだ量は比較的分かりやすいですね。ボトル式の給水器の場合はメモリがついてるので、飲んだ量がすぐ分かります。

水皿の場合は、はじめに入れた水の量から残った水の量を引き算することで分かります。大型犬になるとバシャバシャこぼしたりすることも多いかと思います。そんな場合は水皿の下にペットシーツを敷いておくと、その重さで溢れた水の量を知ることができます。

でもこれ、かなり面倒ですよね。私がいつも患者さんにお伝えしているのはペットボトルなどにあらかじめ、お水を用意しておくやり方です。お皿のお水が無くなったら、そのペットボトルから足してあげる。1日の終わりにどれくらい減ったかを確認するというやり方です。ペットボトルにだいたいのメモリをつけておくと、なお分かりやすいですね。

尿量のチェックのやり方

こちらはちょっと難しいですね。トイレでしっかり排泄をする場合は使用済みのペットシーツを全てゴミ袋にまとめておいて、1日の終わりに重さを測ることで、だいたいの尿量を知ることができます。

猫ちゃんの場合もペットシーツを猫砂の代わりにしたり、システムトイレだと同様の方法でできますね。

問題は猫砂でしかしない場合です。ちょっと大変ですが砂の塊をゴミ袋にまとめておくと重さがはかれます。また、わんちゃんで外での排泄がある場合も正確な量は分かりません。もうこうなると目分量ですね…

konporopan.com/how-to-check-yourpet-urine/

獣医師にどう伝えたらいいの?

排尿回数の伝え方

排尿回数も丸一日見てられるわけではないのではっきり分からない場合もあるかと思います。そんな時、獣医師への伝え方としては、

「夕方18:00から夜0:00まで見てて、それでも○回もトイレに行ってました。」.

こんな感じでどれくらいの時間の間で何回かが分かると参考になります。でも頑張りすぎないで、分からなければ分からないでもOKです。

飲水量、尿量の伝え方

飲水量は朝から寝るまでに飲んだお水の量を伝えましょう。だいたいの量でも大丈夫です。例えば500のペットボトル1本分とか、そんな言い方でもOKです。

上記の通り、尿量はチェックをすることが難しいです。多頭飼いや、外での排泄がある場合はなおさらです。もし、難しければ「わからない」でもOKです。それも含めて獣医師は判断します。

測ることができなかったと、一回分のペットシーツを袋に入れてそのまま持ってきた患者さんもいました。それでもだいたいの量は推測できますので、ありがたい情報です。

まとめ

動物病院で飲水量、尿量、排尿のチェックをしてくださいと言われたら、あまり細かく頑張りすぎず、こんな感じでやってみよう。

  • トイレの回数はシステムトイレやシーツの跡から推測
  • ペットカメラなどがあればより正確
  • 分からなければ、時間単位で何回かを伝えてもらえれば参考になる
  • 飲水量はペットボトルなどを利用したら割と簡単
  • 尿量は使用済みペットシーツをまとめて重さをはかろう
  • 分からなければ分からないと獣医師に伝えましょう
  • できる範囲でいいので、やってみよう
  • 排尿回数、飲水量、尿量もそれぞれ有益な情報になることもある
  • あまり1ml単位など細かく測定しなくても正直大丈夫!

コメント

タイトルとURLをコピーしました