【獣医師解説】わんちゃんが室内トイレ練習した方がいい理由

どうぶつ

ぽこです。

獣医師を10年以上やっています。動物病院や一般企業での経験をもとに飼い主さんや動物たち、動物病院で働くみなさんに役立つ情報発信を心がけています。

さて、おうちのわんちゃんは外でしかおトイレしない子ですか??

だとすると、ちょっとした変化で大変かもしれません。トイレトレーニングの仕方はいろいろありますし、考え方もいろいろです。外で排泄をすること自体が悪いとは思っていません。

ただ、私が今まで見て、聞いてきた経験から「外でしか排泄しない」子は、いろいろ苦労することが多かったです。なので私は飼い主さんから相談された場合、必ずお家での排泄もできるようになった方がいいとお話しています。

今回は、わんちゃんが室内での排泄練習をした方がいいと獣医師の私が思う理由を、今までの経験を交えて解説します!

うちの子、お外でしか排泄しないんです

昨今は大型犬でも小型犬でも室内飼育が主流になってきました。あまり外で犬小屋があるような光景は少なくなってきましたね。

わんちゃんは実はキレイ好きで、ベッドや食事場所に近すぎると排泄を嫌がることがあります。わんちゃんの性格からも、外での排泄を好む場合があります。確かにニオイを嗅いで、排泄をするというのが自然に近い形ですよね。

先生、うちの子外でしか排泄しないんです。

こうやってお話を聞くことが時にあります。だいたい大型犬の子に多いような印象です。こんな子は動物で入院やホテルなどお預かりのときも外に連れ出して排泄をします。通常の生活で困ることはあまりないかもしれません。

外でしか排泄できないとこれが大変

では、どんな時と場合に外でしか排泄できないと大変なことになるのでしょうか?

天気が悪い時

まず1番分かりやすいのが悪天候の時です。例え雨が降ろうと、雪が降ろうと、台風だろうとお外に行かなければいけません。排泄は生理現象なので止めることはできないからです。

人だけでも外に出ることが大変なのに、わんちゃんを連れて出なければいけない。しかも1日に1回では済みません。雨などで泥んこになる可能性も高く、家に入るたびに足を洗ったりしなければいけません。大型犬になるとさらに大変そうですね。

入院、災害時

そして私が1番目にしたのは、ホテルや入院でお預かりをしている時です。もちろん、定期的に外に出してトイレには行くのですが、どうしても勤務時間の関係で朝が遅くなりがちです。

おそらく6〜8時くらいにいつもお散歩に行っているのでしょう。動物病院のスタッフが出勤してお預かりの子のお世話をするのは8:00〜8:30くらい。朝様子を見に行くと、ケージの中から「早く出して!早く!」とアピールする姿が。そして急いで外に出すと、ものすごい勢いでじゃーーっと…我慢してたんだね。ごめんねってなります。

もちろんケージの中にはタオルやペットシーツなどを敷いたりしているのですが、ちゃんと我慢してしまう子も多いです。人で想像するとホントに辛そうですね。

また、災害時などは避難所でしばらく生活をすることも想定されます。非常時なのでなかなかお散歩に連れ出したりができなくなる可能性も考えられます。

体調不良時

また、患者さんからのお話を聞いて大変そうだ…と感じたのはわんちゃんの体調不良時です。

特に下痢や頻尿などの症状がある時。

わんちゃんは頻繁に排泄したくなります。その都度お外へ連れ出さなくてはいけません。中には真夜中に何度も起こされてトイレのために出たという飼い主さんも。

どうやってトイレの練習するの?

お外でしか排泄をしない子はどうしても我慢してしまいがち。その都度外に出すのも大変ですし、何かあった時にお家の中でも排泄をしていいんだよと練習をしてあげることがおすすめです。

人で想像してもらえると分かりやすいかと思いますが、ずっと我慢しているのも辛いですよね。

では具体的にどうやって練習をするかご紹介します。これは一例なので、その子に合わせたやり方をアレンジしてみてくださいね。

ペットシーツに慣れる

まずはペットシーツに慣れることからです。お部屋にトイレを設置してあげましょう。おしっこを少量つけてニオイ付けしてあげると安心することも。シーツには少しまた、お散歩の際に排泄をしようとしたら下に敷いてあげたりすると、「ここでトイレする!」と認識されやすいです。

ただ、いきなりやってしまうと排泄しようとしてたのに我慢してしまったりします。様子を見ながらやってみましょう。

まずは玄関や庭で練習

お部屋の中では抵抗がある場合、玄関やお庭など家の中に近いところでシーツを敷いて排泄をする練習もひとつの方法です。安定して排泄ができるようになったら徐々に部屋の中にうつしていきます。

徐々に慣らしていこう

成犬であれば、練習をしてもなかなかできない子、時間がかかる子もいます。その子のペースに合わせてあせらず進めていきましょう。少しでも昨日より進歩したら褒めて褒めて褒めてあげましょう!(イルカのトレーニングもそうです!)

粗相してしまっても怒らず、淡々と片付けてくださいね。わんちゃん自身も粗相してしまった時はホントに申し訳なさそうな様子です…

まとめ

わんちゃんがお外でしか排泄できないとこんなことが困る!

  • どんなに悪天候でも外に出なければいけない
  • 入院時や災害時など外に排泄のため出せない場合がある
  • 下痢や頻尿などの病気の場合、どんな時間でも頻繁に排泄に出す必要がある
  • 基本は外での排泄でもいいけれど、室内でもできる方が何かとメリットがある
  • 少しずつ練習することで室内での排泄も可能
  • 無理せず焦らずその子のペースで練習してみよう

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