獣医師解説。子犬、子猫がうちに来た!初めの1週間に気をつけること4選

どうぶつ

ぽこです。

獣医師を10年以上やっています。普段動物病院で聞かれること、お悩みなどをなるべく専門用語を使わず、わかりやすく、おしゃべりするような感じで解説していきたいと思います。

子犬や子猫が初めて家に来た!わくわくしますし、家族みんなでなんだかソワソワ。その子の様子をじーっと見つめてみたり、抱っこしてみたり、必要以上にかまいすぎていませんか??

初めの1週間は体調も崩しやすい時なんです。今回は初めの1週間で気をつけるポイントを解説します。

子犬、子猫は大きな環境変化の連続

ペットショップからにしても、ブリーダーさんからにしても、動物たちにとっては大きな環境変化の連続です。

お母さんと一緒のところから、知らない場所に来て、知らない人に囲まれて…その子の性格にもよりますが、不安でいっぱいのハズです。それが表に現れて、じっと隠れてしまう子もいれば、人懐っこくて全然気にしていない様子の子も。

初めの1週間、これ気をつけて

そーっとしておく

お家にきたら、さっそく遊びたい気持ちはぐっとこらえて、まずはそーっとしておきましょう。元気そうに見えても移動のストレスで疲れていることが多いです。ケージやクレートに入れておいたり、タオルをかけたりして落ち着くのを待ちましょう。

そのうち、落ち着いてきたら、「ここはどこだろう?何があるんだろう?」と、少しずつ行動範囲を広げて探索行動が始まります。

そこでもいきなり抱っこをしたり、触ってしまったりすると怖がってしまう子もいます。そっと見守りましょう。もし、その子たちが人によってきたら、優しく触ってあげたり、抱っこしてあげましょう。

食欲、元気があるか?

そして見てほしいポイントが元気、食欲があるかです。怖がりさんの場合は数日警戒してご飯の食べが悪い場合があります。一見、元気に見えても小さな体にはストレスがかかっていますので注意深く観察が必要です。

子犬、子猫の場合には一度にたくさんのご飯を食べても、お腹が処理しきれないので、1日量を3〜4回に分割してあげます。食べづらいようなら、缶詰などのウェットフードやお湯でふやかしてあげてみましょう。

フードの種類は子犬、子猫用のものを使いたいですね。なぜなら、成長期の彼らには栄養がたくさん必要だからです。先住犬や猫がいて、お家にフードがあったとしても、成犬、猫用フードではなく、年齢にあったフードを選びましょう。

まだ生後2〜3か月の場合はこまめなご飯による栄養補給が必要で、半日以上食べないようだと低血糖になってしまう可能性もあります。低血糖の症状は以下のようなものがあります。

  • 元気がなく、ぐったりしている
  • ふらつき
  • 体温が低い
  • けいれん発作を起こすこともある

ご飯をあまり食べないようであれば、早めに動物病院に相談しましょう。

排泄ができるか?

次にしっかりとおしっこ、うんちができるかどうかです。初めは緊張していて我慢してしまうこともあります。また、排尿の回数や便の状態もちゃんとチェックしましょう。

子犬の場合

トイレに初めから上手にすることは難しいです。初めの1週間は環境への慣らしも含めてケージの中という話をしましたが、ケージの中にはペットシーツを全面に敷いて、どこで排泄しても大丈夫なようにしましょう。そして、わんちゃんが排泄する場所から遠いところにフードや水のお皿、寝床を設置するようにします。

徐々に慣れてきたら、トイレの場所を区別できるようにしておくとトイレを覚えやすいと言われています。

まずは安心して落ち着いてちゃんと排泄できるように慣れてもらいましょう。

子猫の場合

猫ちゃんの場合はトイレ(砂)があればだいたい自分で排泄することができます。慣れてないうちはおしっこが付いた砂を少量トイレに入れてあげると安心します。また、緊張しているとトイレを我慢してしまうことがあります。屋根つきのトイレや、ケージをタオルなどで覆ったりして安心して排泄できるようにしましょう。

かわいい子猫を見たい気持ちも分かりますが、あまり注目しすぎも緊張の原因になることもあるので、それとなく見守りましょう。

家に危ないところはないか?

子犬や子猫は危ないということが分かりません。かじってはいけない電気のコードを隠したり、飲み込んでしまいそうな異物は届かない場所へ置き、上から物が落ちてきたりしないか、階段は行けないようにするなどの対処が必要です。安全な生活スペースを作りましょう。

この時期多いトラブル

下痢

多いのはお腹の調子を崩す子です。原因は環境が変わったストレスや、寄生虫によるものなどがあります。食欲があっても下痢が続くようなら動物病院を受診しましょう。

食欲不振

緊張やストレスから、食欲が落ちる子もいます。一時的であれば良いのですが、食べないことが続くと、小さな子犬や子猫は低血糖を起こす場合があるので、早めに動物病院へ相談しましょう。

誤食、誤飲

お家に来た子犬や子猫は初めての環境に不安なこともありますが、同時に好奇心も旺盛です。いろいろなところへ行ってみたり、口にしたりします。まずはケージ内のみで、おもちゃなどを必要以上に入れっぱなしにしない方が安心です。

まとめ

初めてお家に子犬や子猫が来たら、遊びたい、かまってあげたい気持ちをぐっとこらえて、お家の環境に慣れることを1番大切にしてあげてください。

  • ケージやサークル内など落ち着く環境でそっとしてあげる
  • 食欲、元気があるかをチェック
  • 排泄ができているか、尿や便の状態はどうかチェック
  • お家の中、子犬や子猫のスペースに危ないところはないかチェック

だいたい1週間くらいすればお家にも慣れてくるので、予防接種やトレーニング、遊びなどを様子を見ながら始めていけるかと思います。

子犬、子猫と一緒にぜひ、ハッピーライフを送ってください!

コメント

タイトルとURLをコピーしました