ぽこです。
獣医師を10年以上やっています。動物病院勤務していたころ、わんちゃんの皮膚のお悩みがとても多かったです。
皮膚のトラブルはお薬による治療やフード、サプリメントなどさまざまな対応がありますが、やはり自宅ケアがとっても大事。
中でもシャンプーなどのスキンケアが有効ではありますが、これがまた大変!毛が短く、小さなわんちゃんでは割と短時間で終わることもありますが、毛が長いわんちゃんだと小型犬であってもなかなかの大仕事になります。
シャンプー自体は早く終わっても乾かすのが大変!という声をたくさん聞いてきました。私たちも病院のわんちゃんを定期的にシャンプーしたりするので、その大変さはよく分かります。トリマーさんにコツを聞きながらやっていました笑笑。
また、診療中わんちゃんのドライヤーに関するトラブルも遭遇したこともあります。
今回は、大切だけどちょっとめんどくさい、わんちゃんのドライヤーに関して解説していきたいと思います。
毎回ドライヤーが大変!頑張ってるけどめんどくさい、もっと楽にできないかな、何を気をつけたらいいのかな?そんなお悩みを持つ方のお役にたてたら嬉しいです。
自宅でシャンプーするとドライヤーが大変⁉️
自宅でわんちゃんをシャンプーする場合って?
わんちゃんのシャンプーは自宅またはトリミングサロン(動物病院)ですることが多いです。トイプードルなど定期的なカットが必要な犬種は、なかなか素人では難しいため月に一回くらいトリミングに出すという方は多いのではないでしょうか?
逆に短毛種だと比較的手軽にシャンプーができるので、自宅で済ませてるなんて方も。
そして、アレルギーなどの皮膚のトラブルがある子です。なぜならこまめなシャンプーが有効と言われています。でも毎回毎回トリミングに出すことは費用面からも大変ですよね。多いと週に1〜2回のシャンプーが必要!と獣医師に言われることも。なので自宅でシャンプーをするという方が多いです。
わんちゃんのドライヤーでのお悩み
自宅でのシャンプーでのお悩みで多いのは、ドライヤーに関することです。
時間がかかる
シャンプーするのはいいが、乾かすのに倍以上時間がかかる
毛が長いと全然乾かない
こんなお声、お悩みが多かったです。動物病院でシャンプーセミナーなどを開催すると、シャンプーの仕方もそうですが、乾かす方が大変という声が多かったのが印象的でした。
特に毛が多い柴犬や、長毛のわんちゃんだと業務用ドライヤーとプロでも大変です。自宅で家のドライヤーだとなおさらですね。
嫌がって逃げる
わんちゃんは当たり前ですが、じっとしていません。始めは大人しくても、だんだん飽きてくる場合もあります。さらに風が当たることを嫌がる子もいますね。(特に顔周りとか)
嫌がって逃げられると、もう捕まえても乾かすどころじゃない、大暴れ!なんて話も聞いたことがあります。
毛が舞うから掃除が大変
そして抜け毛です。
わんちゃんは意外に抜け毛が多い!特に換毛といって毛がわりの時期は特に抜けます。お家の中でコロコロするとがっさり毛が取れることもあります。特に柴犬さんは半年に一度、もう犬一匹分じゃないかと思えるくらい毛が抜ける時期があります。よりにもよって痒みなども出やすい時期なんですよね。
ドライヤーのあとは家中毛が舞って、お掃除に一苦労です。トリミングサロンでも抜け毛の時期になると、トリマーさんの頭に綿雪のようにふわふわの毛が積もっている光景をよく見ます。
自宅でのドライヤー、これ要注意!
実際に診療で経験したことです。こんなことに注意しましょう。
ドライヤーの温度
早く乾かしたいから、寒そうだからとついつい温風を使っていませんか??
実はわんちゃんの皮膚はとってもデリケート。温風を当てると刺激になってしまいます。
実際にシャンプー後、2〜3日で背中がただれてしまったわんちゃんを診察したことがあります。おそらくドライヤーをずっと当てっぱなしになってて火傷をしてしまったものと推察されました。
ドライヤーの性能的に温風しかない場合は、充分にわんちゃんから距離をとって、さらに自分の手で熱すぎないがチェックしながらやりましょう。
温かいと感じる程度の温度でも、ずっと1ヶ所に当たっていると意外と熱いものです。
生乾きの部分がないか?
時間がかかるからと自然乾燥してたり、ざっと乾かしただけだと、これもトラブルの原因になることも。
生乾きの部分があると、皮膚の負担になります。濡れた皮膚は通常よりもさらにデリケートです。ちょっとした刺激でダメージになる可能性も。
特に多いのは足の指の間など乾かしづらいところで皮膚炎を起こすこともあります。
自宅でのドライヤーのちょっとしたコツ
タオルドライはめっちゃ大事!
自宅でシャンプー、ドライをするとき、時短、効率、わんちゃんの負担などなどを軽減するために大事なのがタオルドライ。
実はこれをしっかりやることで8割くらい乾かすことができるんです。でもゴシゴシは禁物!上記の通り濡れた皮膚はとってもデリケートです。友人のトリマーさんは、小型犬でもバスタオル2枚くらい使ってタオルドライをするそうです。
洗濯が大変!大型犬はタオル何枚いるんだ!という方には、スポーツ用の吸水タオルがおすすめです。絞って何回でも使えます。
スリッカーブラシを有効活用
スリッカーブラシってご存じですか?毛のブラッシング以外に、ドライヤーの時にも大活躍します。
毛を早く乾かすコツは、根本から乾かしてあげることです。風が当たる部分の毛をスリッカーブラシでほぐしながら乾かしてあげると、結構早く乾きます。
ただ、両手が塞がってしまうので、わんちゃんが逃げないように練習をしたり、家族に手伝ってもらうといいかもしれません。
最近ではこんなアイテムも
トリミングサロンではよく見るのですが、自宅用のボックスドライヤーが発売されているそうです。これはわんちゃんをボックスの中に入れておくと乾燥をさせてくれるものです。
嫌がって逃げる、毛が舞うのが大変という方はこんなアイテムも導入してみるといいかもしれません。ただ、ドライ中のわんちゃんの様子はしっかり観察してくださいね。
まとめ
わんちゃんのドライヤーは、思った以上に大変!
- シャンプーよりもドライヤーの方が時間がかかる
- 嫌がって逃げる
- 毛が舞って掃除が大変
- 温風や生乾きは皮膚トラブルのもとになる可能性
- タオルドライをしっかりすることで時短!
- スリッカーブラシを有効に使ってみよう
- ボックスタイプのドライヤーも最近では販売されている
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