【女性の働き方】女性獣医師として悩んだこと、やっておけばよかったこと

キャリア・転職

ぽこです。獣医師を10年以上やってます。その間に多くの女性獣医師を見てきました。また、自分自身も何回か転職をし、働き方を変えてきました。

言うまでもなく、獣医師は男女関係なく激務です。

こんな働き方いつまで続くんだろう

私の将来ってどうなるんだろう

新人のころは目の前のことで精一杯だったのが、ある程仕事を覚えてくると、こんな漠然とした不安が出てきました。

今回は、女性獣医師のキャリアについて悩んだこと、やっておけばよかったことなどをまとめてみました!

過酷な労働条件

肉体的、精神的にハードな仕事

男女関係なく、獣医師はハードワークかと思います。医師と言えば椅子に座って診察というイメージがあるかと思いますが、獣医師は基本的には立ち、動き回り、場合により大型犬を抑える、暴れる猫と戦う‥

患者は物を言わない動物、飼い主さんと話すことは楽しみでもあり、プレッシャーでもあることも。

もちろん命に関わる仕事なので責任は重大です。人の医者は専門分野が細かく分かれていますが、くの小動物診療をしている獣医師は、内科、外科、皮膚科、眼科、歯科など幅広い技術と知識が求められます。

給料安い

責任ある仕事の割に勤務医の給料は安いです。基本給は一般企業と変わらないか、または低いことさえあります。残業も多く、休日も仕事をしていることもあるのに、ちゃんと残業代が支払われないケースもあります。

動物の命を助けたい。そんな志をもって働きますが、中にはそのやりがいを搾取するような職場があることも事実です。

プライベートの充実ってなに?

私の場合、30代半ばくらいまでは、プライベートの充実には本当に無頓着でした。仕事、仕事、仕事の繰り返し。もうそれが当然のように思い込んでました。

休みに休めない

休みの日でも担当患者が入院していたら様子を見に行ったり、急なオペで人手が足りないとなれば呼び出し。先輩たちが休みの日でも当たり前に出勤(おそらく無給)してるのを見ていて、自分もこうしなければと刷り込まれてました。

たまにフルの休みがあっても、何だかソワソワ。携帯をチラチラ気にしながら休みを過ごすことも多々ありました。

また、仕事が大変だと休みの日はほとんど休養と溜まった家事で1日が終わるんです。起きて、洗濯、掃除、食料の買い出しなんかをやって、ふうーっと一息ついたらもう夕方‥私は今日何をしたんだろ。気持ちも身体も休まらないですよね。

勉強したいけど時間がない

獣医療は日々進歩していきます。なので、勉強をし続けることは獣医師にとって必要不可欠です。診察のある日中は忙しいので、ゆっくり落ち着いて勉強するのは帰宅後か、休みの日にしかできません。Webセミナーが増えて、移動時間が節約できることはとてもありがたい変化ですね。

休みの日にまとめて勉強をしていると、なかなか予定を入れたり、遊びに行く時間も減ってしまいます。

出会いがない

動物病院勤務の皆さんのお悩みあるあるです。

朝から晩まで動物病院で働いて、休日は家で寝てると、当然出会いがない。職場内恋愛なんかは少ないですね。

男性獣医師と女性動物看護師というパターンはありますが、女性獣医師の場合はなぜかちょっと難しいみたいです。私は同業者の獣医師と結婚するのは嫌でした笑

女性獣医師の結婚相手としては獣医師(学生時代から付き合ってるパターン多し)、または全く別の業界の人という2つのパターンがあるかと思います。

私が獣医師を敬遠した理由としては、同業者だとアドバイスをもらえるメリットの反面、意見の衝突も多いと感じたためです。あとは同じ職場内で働いていると、なかなか恋愛感情も湧かないです。(個人の意見です)

キャリアの積み方に迷う

将来的に方向性をどうするのか

自分はこの先どうやって仕事をしていくのか。勤務医としてやってくのか、独立開業するのか、小動物臨床を続けるのか‥迷いはいろいろです。

臨床医としてキャリアを積んでいくべきか

企業などにキャリアチェンジして、ライフワークバランスを取ることを重視するか

答えはひとつではなく、何が正解かは人によります。選択肢はたくさんあることをまず知るために、転職する気はなくても転職エージェントへの登録をしておくことがおすすめです。いざとなったらこんな仕事もあるんだ、自分の市場価値ってこれくらいなんだと知っておくことは大きなプラスになります。

妊娠、出産

獣医学部は6年制です。現役で入学したとして、卒業は24歳。新人時代は目の前のことで精一杯で、落ち着いて診療が面白くなってくるのはだいたい3年目くらいからでした。この時点で27歳。

徐々に自分で判断して治療を進めたり、手術の執刀ができるようになったり、それで患者さんが元気になって、ご家族から「ありがとう」と言われたり。やりがいも感じ、充実した日々を過ごしていると、あっという間に30代。

女性の生物学的な妊娠、出産の適齢期は20代〜30代前半だそうです。獣医師としてバリバリ仕事してキャリアを形成する時期とモロに被ってきます。やはりそこで悩む人をたくさん見てきました。

これやっとけば良かったこと

私が思う、これをもっと早く知っていれば、やっておけば良かったと思うことです。

お金の勉強

もうまずは絶対にこれ。若いうちは仕事に一生懸命で、お金は二の次、やりたいことやるんだ!と、ひたすら突き進んできました。水族館時代は薄給でも休みが潰れても夢のため、動物病院時代は患者さんのため働いてきました。それ自体は悪いことではないのですが、最低限のお金の知識は身につけていないと、自分の身を守ることができません。

私がこれに気づいたのは育休で時間ができて、自分と家族の将来について考えることができた時です。(遅い…)今までは冷静に給与明細なんて見ていなかったので、本当に管理が雑だったなあと反省。残業代や休日出勤についても無給でも何も思っていなかった自分。

お金の勉強は学校でも、社会に出ても誰も教えてくれないです。日本人の金融リテラシーはものすごく低いそうです。私も勉強を始めてそれに気づきました。もっと若いうちから知っておきたかったことばかり。

ぜひ、若い獣医さんにこそ、仕事以外のことにも目を向けていただきたい!幸いなことに教材は無料でもたくさん手に入ります。私はYoutubeを使うことが多かったです。(何か作業しながらもインプットできるから便利)

おすすめはリベ大チャンネルhttps://www.youtube.com/channel/UC67Wr_9pA4I0glIxDt_Cpywです。両学長がわかりやすく解説してくれます。本も出ていますので、興味があれば手に取ってみてください。

公的制度、一般常識の勉強

お金と同様に、公的制度や一般常識も知っておくと自分の身を守ることにつながります。

もし、自分が困ったときにそれを助けてくれるような公的制度があったとしても、会社や動物病院の上司からそれを提案されることは稀です。なので自分で知らなければ申請もできない、利用もできません。

また、動物病院は個人経営のことも多々あります。法律スレスレの労働条件だったり、昔のままでアップデートされていなかったり、病院によっては完全アウトなところもあります。自分を守るためには「これはおかしい、逃げなければ」と判断ができることが大切です。ブラックな労働環境で搾取され続け、ひどいと心身を病んでしまう人もいます。

旅行

休みをしっかりとって、もっとやっておきたかったことは旅行です。数日間まとめての休みはなかなか取りづらく、旅行に行くことがあまりできませんでした。そのうちに感染症の流行で渡航が制限されてしまい、機会が激減してしまいました。

新婚旅行の時には初めて10日間ほどの連休が取れたので、念願のエジプトへ行ってきました。現地で感じた空気や壮大な遺跡を目の前にした感動、人との関わり、知らない食べ物…改めて旅って本当にいいなと感じました。若いうちからもう少し休みをとる習慣をつけて、いろいろなところへ行ってみたかったなあと思いました。

まとめ

女性獣医師のキャリアについて、思うことを書いてみました。激務でプライベートも犠牲にして働くこともあるこの仕事ですが、ぜひ自分を大切にして、自分がどうしたいか、どうなりたいかを優先していただきたいと思っています。

  • 獣医師は責任がありやりがいのある仕事
  • 重責なわりに給料は安く、労働環境はあまり良くない
  • 自分の時間を削って勉強することもある
  • 異性との出会いが致命的に少ない
  • 妊娠、出産の適齢期はキャリア形成に大事な時期とモロにかぶる
  • 若いうちからお金の勉強をしておこう
  • 公的制度や一般常識についても知っておくことは自分の身を守る
  • 時間が取れたら旅行に行きたい

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