こんばんは、ぽこです。
獣医師という仕事柄、時にはケガをすることもあります。動物もスタッフも自分もケガしない、させないように気をつけていても、やはりかまれたり、ひっかかれたりすることもあります。
今までで一番大きなケガは水族館時代、イルカにかまれて4針縫いました。。。(犬ではありませんが…)
普通の人よりそんな機会が多いので、手当も慣れたもの。今回は動物(犬や猫)にかまれたり、ひっかかれたりした時の対応を紹介したいと思います。
犬や猫の爪や口の中には菌がいっぱい
動物の口の中にはキレイに見えても、常在菌といって、もとからいる菌がたくさん。動物にとって悪さはしないのですが、ひとたびかまれると、傷口に菌が入り込んでしまいます。パスツレラ菌やバルトネラ菌といった菌が入り込んでしまうと、パンパンに腫れて膿んでしまうこともあります。関節炎やリンパ節炎などを起こすこともあり、油断できないです。
狂犬病の予防接種は必ず毎年の受けてくださいね。日本には狂犬病はないと言われていますが、海外からいつ入ってくるか分かりません。万が一、未接種で人や他のわんちゃんを咬んでしまうと大きなトラブルになる可能性があります。
傷になってなくても、咬む圧力はすごい
咬まれても大した傷になってないこともあります。それでも中型犬以上は咬む力は強いので、その圧力でぶわっと腫れて青あざのようになる時もあります。
私は15キロの柴犬に手の親指の付け根をぐっと咬まれてしまった時があります。もちろんめっちゃ腫れました。手首の下の方まで紫色になってびっくりしました。
ケガしたときのNGな対応
咬まれた手などを無理やり引き抜く
咬まれた時はびっくりですし、痛いし、すぐ離してほしいがため、引き抜いてしまいがちです。でもこれ、実はとても危険。ぐっと咬まれた状態で引き抜いてしまうと傷が大きく裂けてしまうことがあります。口が離れたスキに抜きましょう。
そのまま洗わない
これ1番良くないやつです。先ほども書きましたが、爪や歯にはたくさんの菌がいます。更に咬み傷というのは深いです。その菌がグッと奥に埋め込まれてる状態なので、ケガをしたらなるべく早く流水、石けんでよくよくよく洗うことです。痛いかもしれませんが、ここは頑張りどころです。
洗わずに絆創膏などを貼ってしまうと、菌も一緒に身体の中に閉じ込めてしまうことになり、そこから菌が増殖すると大変なことになります。まずはしっかり洗って菌を出来るだけ少なくしてからにしましょう。
そのまま様子をみる
必ず病院(人間の)に行きましょう。咬まれたことを伝え、傷の状態を診てもらいます。状態によって塗り薬だったり、化膿止めの飲み薬が処方されたりします。
様子をみていて悪化してしまい、手の関節が動かなくなって手術までした看護師さんの話を聞いたことがあります。自己判断はせずにしっかり診てもらいましょう。
まとめ
いかがでしたか?動物に咬まれたりひっかかれたりした際にはこれを思い出して下さい。
そんな時はまずは深呼吸して…
- 手などを無理に引いて傷を大きくしない
- よくよく傷を洗う
- ちゃんと(人間の)病院に行く
以上です!
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