【油断は禁物】寒くなってもノミ予防が重要なワケ

動物の病気について

ぽこです。

獣医師を10年以上やっています。動物病院勤務医時代のいろいろな経験をもとに、飼い主さん、動物たちのための情報発信をしてます!

みなさん、ノミの予防って冬もちゃんとやってますか??

冬は虫も動かないからやらなくていいんじゃない?

フィラリアのお薬が12月までだからそこまでしかやっていないわ。

うちの子あまりお外でないからやってないわ。

けっこう、こんな声を多く聞いたことがあります。地域にもよりますが、最近は冬も暖かく、冬でもノミ寄生を動物病院で見ることがありました。(しかも都内です!)

ノミ寄生を放っておくと、わんちゃん猫ちゃんにとって痒みや炎症などの原因になるだけでなく、お家の中にも広がってしまい、大変なことになります。

今回はノミ予防がどうして大切なのか、冬でも必要なのかを解説していきます!今まで予防をしていなかった人、必見です。

そもそもノミってなに?

わんちゃん猫ちゃんの予防として、予防接種、フィラリアと並んでメジャーなのがノミ予防です。

フィラリアとノミ、マダニの区別が難しく、お薬も色々で混乱してしまう方もいるのではないでしょうか?

ノミは身体の表面に寄生する小さな虫で、だいたい2〜5mm程度で肉眼でも動いているのが見えます。毛をかき分けるともぞもぞ這うように動いていますが、ひとたび刺激があるとピョーンとかなり遠くまで飛び跳ねることもあります。自分の体長の200倍ものジャンプ力があるそうで、30センチくらいなら平気で跳んできます。人なら膝下はもうノミたちの攻撃範囲ですね。

ノミはどんな虫?

主にわんちゃん猫ちゃんに寄生するノミはイヌノミとネコノミです。それぞれイヌ、ネコと名前がついていますが、人にも寄生することも。

ノミは動物の体表で生活をして吸血をします。寄生すると48時間以内に卵を産むのですが、この卵がパラパラと下に落ちるのです。畳やカーペットの奥に入り込み、幼虫から成虫になるとまた、動物の身体に寄生して、吸血、大量の産卵を繰り返します。繁殖力は強く、増えてしまうととても厄介です。

ノミ寄生されると何がいけないの?

まず直接的に吸血され、痒みがでます。これは人も動物も同じですね。赤く点々と刺し口が残ります。場合によってはアレルギー症状を起こすこともあります。ノミアレルギーの場合は、ほんの少数のノミに刺されただけでも全身に痒みが出ることも。

そして伝染病を媒介する可能性もあります。猫ひっかき病の原因となるバルトネラ菌や、瓜実条虫という寄生虫の原因になることもあります。

子猫など身体の小さな動物に多数のノミが寄生し、吸血することで貧血になってしまう例もあります。

たかがノミと侮らず、しっかり予防しましょう。

実は冬や室内飼育でもノミ寄生??

ノミは冬場も油断できない!

ノミはもちろん、暖かい季節が大好きで活発に動きます。ノミ寄生もやはり春先から増えてきますが、でも冬場にもないとは言えません。

ノミは気温が13℃以上なら活動するといいます。地域にもよりますが、昨今は冬でもあったかいことも多いですよね。また、屋外は寒くても、暖かい家の屋根裏や床下などにノミが寄生している野生動物や野良猫、ネズミなどがいたらどうでしょう?

パラパラと卵が落ちてきたら、暖かい家の中でノミが繁殖する…なんてこともありますよね。

完全室内飼育なら大丈夫?

外にお散歩に出ないなら、ノミをつけてくることもないでしょ?

そう思う方もいるかもしれません。確かに頻繁に外で草むらなどガサガサ歩く子に比べたら、ノミが寄生する可能性は低いです。でも可能性がゼロではないんです。

上記の通り、わんちゃんや猫ちゃんがノミをつけて来なくても、野良猫や野生動物からうつる可能性もあります。また、人にノミの卵がくっついて家の中に持ち込むことも考えられます。

実際に、高層マンションで完全室内飼育の猫ちゃんなのに、ノミがついてた子を診たことがあります。その際にノミのたくましさを思い知り、予防の大切さを伝えるようになりました。

フィラリア予防薬が終わったらノミダニは継続しよう

よく、フィラリアのお薬とこんがらがっちゃうと聞きます。確かにフィラリアのお薬でもオールインワンタイプがあり、フィラリアとノミ、マダニ、お腹の中の寄生虫に効くものがあります。でも基本的にフィラリアとノミは別のものなので、そういったオールインワンタイプのお薬でなければ、予防は出来ません。

首の後ろにつけるスポットタイプのお薬や錠剤タイプがあり、多くは1ヶ月に1回の投与になります。フィラリアのシーズンはオールインワンまたはノミ、マダニのお薬の併用をして、フィラリアが終わったらノミ予防は続けるようにすると安心です。

家の中でノミが増えたら…

もし、お家のわんちゃん猫ちゃんにノミ寄生を見つけたら、予防をしていなかった場合は、速やかに予防薬を投与しましょう。痒みや皮膚の炎症が強い場合は動物病院に相談しましょう。

そして、家でノミが繁殖したら困るのは人!

わんちゃん猫ちゃんは予防薬を投与すればノミが落ちてつかなくなります。では一緒に暮らす人は??そう、刺されます。

カーペットや畳に卵が落ちていれば、また孵化してノミが増えていきます。

熱湯とアルコール

わんちゃん猫ちゃんのベッドやタオル、食器やトイレなどは出来るものは熱湯消毒、難しいものはアルコールで拭きましょう。

熱湯消毒というとなんだか大変そうですが、動物病院でやっている方法はとっても簡単。バケツなどに食器やタオルをばばばっと入れて、お湯(ポットの温度)を浸かるまで入れます。あとは冷めるまで放置して、お湯が冷めたらしっかり洗って終了です。

問題はお部屋の中

問題はお部屋の中ですね。ノミの成虫はなんとか肉眼でも見えます。見つけたらつぶさずに、粘着テープなどでペタッと捕まえましょう。なぜなら、潰してしまうと卵があった場合飛び散ってしまうからです。

卵や幼虫が厄介です。なんせ目に見えないので、どこに落ちてるか、掃除しても果たしてきれいになったのか全く分からないのです。

対策としてはまんべんなく掃除機をかけて、そのゴミはビニール袋などでしっかりと閉じて捨てましょう。

あまりにもひどい場合は、自分で処理するのは難しいので、業者さんの力を借りることをおすすめします。

まとめ

ノミ予防は冬も油断できない!

  • 最近は冬でもノミ寄生があることがある
  • 気温が13℃以上なら要注意
  • 屋根裏や床下に動物が入り込んでノミを持ち込むことも
  • 人の靴や服にノミの卵がつくこともあり
  • ノミ予防は通年がおすすめ
  • ノミを見つけたら速やかに対処しないと大繁殖するかも
  • 家の中を全てキレイにすることは難しいので、業者に頼むこともひとつの方法

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