ぽこです。
獣医師を10年以上やっています。動物病院や一般企業での勤務経験をもとに飼い主さんや動物たちに役立つ情報発信を心がけています。
いまや獣医療も進歩し、質の良いフードも増えてきた影響でペットも長生きになりました。それに伴って高齢のペットたちも増えてきています。中には持病があってお薬をたくさん飲んでいたり、寝たきりで介護が必要だったりします。
犬種によっても違いますが、わんちゃんにはトリミングが必要な子達がいます。定期的にシャンプーをすることはもちろん、毛をカットしてあげることは衛生面からもとても重要です。
ただ、トリミングサロンでは高齢だったり、持病があることが原因で断られることもあるって知っていましたか??確かに安全面を考慮すると仕方のないことも分かります。そのため頑張って自宅でシャンプーやカットをされる飼い主さんもいらっしゃいました。
でも自分の家の子だとしても自宅でシャンプーからドライ、カットまでやるのはとても大変です。
そこで、「訪問トリミング」をご紹介したいと思います。医師が自宅に訪問するのが「往診」ですが、トリマーさんが訪問してくれるサービスも最近では増えてきています。今回は訪問トリミングのメリットとデメリットをご紹介します。今、トリミングできなくて困ってるという飼い主さんやわんちゃんの参考になれば嬉しいです。
高齢だとトリミングを断られるケースもあり
どんな子がサロンで断られる?
わんちゃんが高齢だったり、持病があったりするとトリミングサロンでは断られることもあります。これはやはり安全面から。トリミングはどうしてもわんちゃんに多少の負担がかかります。シャンプーしてドライヤーしてカットして…犬種にもよりますが、1〜2時間程度は頑張らないといけないので、お風呂大好きな子でも疲れてしまいますよね。
若くて健康状態に問題がない子でも、たまにトリミング中うとうとしてしまうこともあるくらいです。もちろんトリマーさんはプロなので、わんちゃんの様子を見ながら負担の少ないように施術してくれます。
でもやはり高齢だったり、持病がある子の場合は体力が持たず、すぐ疲れてしまったりします。すると、トリミング後から体調を崩してしまうことがあるんです。
疲れやすかったり、緊張や興奮をすることで体調を崩しやすいのは以下のような子達です。
- 筋肉が落ちて体力がない
- 関節や背骨に痛みがある子
- 心臓が悪い子
- 気管が弱い子
- そのほかホルモンの病気、腎臓や肝臓疾患など疲れやすい子
どうして?トリミング断られる理由
やはりリスクがあるからです。
健康な子でも疲れてしまったり、ストレスがかかることでトリミング後に体調不良を起こすことがあります。それが高齢だったり、持病があって体力があまり無い子なら尚更です。
実際に私が勤めていた動物病院はトリミングサロンが併設されていましたが、実際トリミング中に何かあって中止するということもありました。
吐いてしまった、下痢してしまった、疲れて座り込んでしまったなどということから、重症だと呼吸が悪くなった、震えが止まらなくなった、ぐったりしたなんていうことまで。トリマーさんもプロなので、しっかり体調を見ながら負担が少ないようにやってくれますが、どれだけ注意していても避けられないケースもあります。
特に獣医師が近くにいない(動物病院併設ではない)サロンでは、何かあった時の対応がしきれないという安全面から、トリミングを断ざるを得ないというのも納得です。
じゃあ断られたらどうしたらいい?
いつものトリミングサロンでダメなら以下の選択肢があります。
- 自宅で自分で洗う
- 動物病院併設の受け入れ可能なトリミングサロンを探す
- 訪問トリミングを検討してみる
今回はあまり馴染みのない、訪問トリミングについて以下でそのメリット、デメリットを解説していきます。
犬猫の抜け毛がごっそり取れる【 ZOORO ゾログルーミングコーム】訪問トリミングのメリットは?
わんちゃんのストレスが少ない
やはり自宅での施術になるので、移動が必要ないです。これはわんちゃんにとっても、飼い主さんにとっても嬉しいことですね。特に高齢のわんちゃんで身体が不自由だったりすると移動だけでも大変です。
また、いつもの環境と変わらずできることもメリットです。やはり違う環境にいるとわんちゃんも少なからず緊張してしまいます。また、サロンでは待ち時間もあるため、どうしても実際の施術よりも長めの時間、お預かりになってしまいます。
飼い主さんがすぐ近くにいる
また、自宅トリミングでは飼い主さんがすぐ近くにいることもメリットです。わんちゃんにとって安心であることは間違いないですね。特に高齢になってくると分離不安ぎみの子も多い印象です。でも中には飼い主さんがいると逆に落ち着かない子もいますが…
そして飼い主さんが近くにいることで、何かあった場合にスムーズに対応できるんです。例えばサロンだと病院に運ぶにしても飼い主さんへ電話したり、いろいろ煩雑でタイムロスがあります。その点、自宅であれば万が一の場合にもすぐ確認して施術を中止し、動物病院へ運ぶことができます。
自分で洗うより早くて確実
自分で洗うとなるとやっぱり大変ですし、慣れてないので時間もかかります。毛の長い子などは尚更です。時間が長くなるということはわんちゃんの負担も増えやすくなります。
その点トリマーさんはプロなので本当に手早いですし、さらに仕上がりも素晴らしい。そこはお金をかけても、やってもらう価値はあります。
毎回ではなくても、時々プロの手を借りてみてもいいのではないでしょうか?
訪問トリミングのデメリットは?
自宅のスペースを使用すること
自宅でやるからにはもちろん、自宅のスペースを用意しなければいけません。これはわんちゃんの大きさにもよりますが、ある程度のワーキングスペースが必要です。
そしてカットなどをするともちろん毛が落ちます。トリマーさんもお掃除をしてくれることがほとんどかと思いますが、毛が舞ったり、落ちたりすることは想定して、汚れては困るものなどはしまっておきましょう。
状態の変化がある可能性
そして自宅でストレス少なくできるとはいっても、状態が悪くなってしまう可能性はゼロではありません。
必ず事前に担当医に相談して、トリミングをやってもいいか確認しておきましょう。そしてかかりつけの病院が開いている時間に施術ができると理想的です。
事前にトリマーさんへわんちゃんの状態をしっかり伝えておきましょう。また、トリマーさんからそういった注意事項などの聞き取りが丁寧に行われている業者さんを選ぶほうがおすすめです。経験があるトリマーさんなら少しの変化も見逃さず、適切な対応をしてくれることが多いです。
まとめ
トリミングサロンで高齢や持病を理由に断られてしまってもまだ諦めないで!訪問トリミングはストレス少なく、施術してもらえることも。
- 訪問トリミングは移動や環境変化のストレスが少ない
- 飼い主さんが近くにいて安心できる
- プロの施術は早くて確実
- ある程度のスペースを用意しないとだめ
- やはり状態悪化のリスクはあるので、事前に準備をしておくことをおすすめ
konporopan.com/how-useful-dryshampoo-for-yourpet/
コメント