こんにちは、ぽこです。
診察をしていると、飼い主様からいろいろなお悩みを相談されます。今回はその中でもよく聞かれる「猫ちゃんの食が細い」件について。
「うちの子普段からあまりごはんを食べなくて。大丈夫かしら??」
病気で食欲が落ちている場合を除いて、元気な子へのお話です。猫ちゃんは食の好みがあったり、ごはんで苦労される飼い主様も多いですよね。食欲を上げるひと工夫を紹介したいと思います。
猫ちゃんのフードの選び方については以下の投稿で解説しています。
ねこちゃんは肉食系!
ねこちゃんは完全な肉食動物。対してわんちゃんは雑食よりの肉食なんです。なのでねこちゃんは野菜、果物などを消化するのは苦手なんですね。
穀物はNG?
肉食だったら穀物が入ったフードはだめ?確かに炭水化物が多すぎるフードは糖尿病の原因になったりしますが、全体の35%程度なら大丈夫と言われています。穀物には他のミネラルや食物繊維なども入っているので全くダメという訳ではありません。
一番大切なのはタンパク質
ねこちゃんに一番必要なのは肉や魚から摂れるタンパク質です。良質なタンパク質のフードや、タンパク含有量が多めのフードだと食いつきが良くなると言われています。(大体のフードは自然界で食べている餌に比べてタンパク質の量が少なめ)
※お肉にはリンが多く含まれており、過剰に食べすぎると腎臓に負担になります。ちゃんとした量を守って与えましょう。また、持病がある子は獣医師と相談してみてください。
狩りをしてみる??
野生では狩りをして獲物を捕まえていたねこちゃん。おうちにいると何もしなくてもごはんが出てきます。そうするとあまり食に執着しない子も出てきちゃうんですね。
「あ、今食べなくても後でもらえるし、いっかあ」
野生では獲物を今食べないといつ横取りされるか、次にいつ獲物が摂れるかわかりません。なので野生の時の習慣を真似してあげることで食欲が出る場合があります。
ごはんの前に遊んであげよう
猫じゃらしを追いかけるなど、狩りの真似事をやってみましょう。また、ペットボトルにドライフードを入れて転がして少しずつ食べさせたり、おもちゃを使ってみたり。(これは早食いの子にも使えます)要するに簡単に食べ物が得られない状態にしてみることです。
実はこれ、動物園の動物たちにも使われている技なんです。餌を探して食べるという本来の行動を引き出すことによって、刺激になり、運動にもなり、いいことずくめです。
フードを少し温めてみる
人肌程度に温めてみるのも有効な方法です。野生では獲物をとるので冷たい食べ物はあまり食欲がわかないそうなんです。温めることでフードのいい匂いも立って食欲が刺激されます。
落ち着いて食べられる環境?
ごはんを食べる場所の環境はどうでしょうか?ねこちゃんが落ち着いて安心して食べられる環境ですか?
そばで音がしたり、ガヤガヤしていたりすると落ち着きません。また、壁際に食器があるとねこちゃんは壁に向かって食べることになり、死角である背中側が無防備になります。特に臆病な子や元野良猫ちゃんは人が見ているところでは食べない子もいます。
それぞれの性格に合わせて落ち着いて食べられる食事場所を作ってあげましょう。
そのフードは新鮮?
賞味期限と開封後の保存期間は違います。人の食べ物も同じで、「開封後はお早めにお召し上がりください」。封を開けて時間が経つほど、酸化(劣化)が進み、栄養や香り、美味しさも減っていきます。開封後新鮮なフードの方が食べがいいことが多いです。
開封後の使用の目安
ドライフードなら約1ヶ月、缶詰などのウェットフードなら冷蔵庫保存で1日以内が理想的です。意外に短いですよね。ドライフードは大袋の方が割安かもしれませんが、1ヶ月くらいで使い切れるサイズを買っていただくのをお勧めします。
保管方法は大丈夫?
ウェットフードは開封後はもちろん冷蔵庫です。ドライフードは乾燥した暗い場所に保管しましょう。湿気や光で劣化してしまいます。ドライフードの冷蔵庫保管は結露によりカビが生えやすいので避けましょう。
どこかでおやつ食べてない?
基本的なことですが、意外に盲点。「あまりごはんを食べないのよねー」と、言いつつ、ぽっちゃり体型の子がいます。よほど燃費がいいか、どこかで何か食べているか…
よくよく聞くと他のご家族からおやつをたくさんもらっていたりします。フードを食べなくても美味しいおやつをたくさんもらえるのなら、フードを食べなくなってしまいますよね。肥満は万病のもとです。おやつはほどほどに。
まとめ
ねこちゃんの食欲をあげる方法をいくつか紹介しました。やはりごはんを美味しそうに食べている姿は嬉しいし、癒されますよね。今困っているご家族の助けに少しでもなれたら嬉しいです。
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