ママ獣医解説。子供とわんちゃん、一緒に暮らすなかで注意したいポイント3選!

どうぶつ

ぽこです。

子供とわんちゃんって本当にほんわかしますし、一緒に寝てるとこなんて癒しの極みだし、子供のいい遊び相手になってくれたりしますよね。子供の感情が豊かになったり、外へ遊びに行く機会が増えたり、子供の成長にいい影響を与えると言われています。

でも子供とわんちゃんが一緒に暮らすが故に気をつけなければいけないこともあります。その要注意ポイントを3つ、実際に動物病院で経験した実例をまじえながら解説します。

お子さんのいる家庭でこれからわんちゃんを飼おうと計画中の方、元から飼っている子がいる中でお子さんが生まれる方に伝えたい!

こんなことが起こる可能性があります。完全に防ぐことは難しいかもしれませんが、予備知識として知っておいて損はありません!

  • 誤食・誤飲
  • ケガ
  • ストレス

きっかけは妹の妊娠中

赤ちゃんと子犬を一緒に育てたい

このことを真剣にアドバイスしようと初めに思ったのは妹の妊娠中にこんなことを聞かれたのが始まりです。彼女が妊娠後期に入った頃に、

「ねえねえ、かわいいトイプードルちゃんを見つけて飼おうかと思うんだけどどう思う?生まれてくる赤ちゃんと同じ歳のわんこを飼って一緒に育てていくんだ」

ちなみに妹は獣医ではなく、一般の会社員です。ペットショップで抱っこして、ぜひお家に迎えたいとなり、頭金まで払ってきたそうです。

姉として獣医として私の答えは?

私が彼女に言った答えは「やめといたら?相当覚悟が必要だよ。」

初めての子育てと初めてのわんちゃん…確かに一緒に育てていくことも1つの考えだと思いますが、私の獣医師としての経験から妹にはすすめませんでした。(彼女の性格や家庭状況なども総合的に考えて。旦那さんは仕事があって日中はいないそうです。)

私がすすめなかった理由

私が思う、赤ちゃんの出産とほぼ同時に子犬を飼い始めることの大変さは以下のような理由です。

  • 子犬はワクチンや急な体調不良で通院が多いことがあるため、臨月の妊婦が対応するのは大変
  • 産後は予想以上に赤ちゃんの世話と自分のことだけでも精一杯で、子犬の世話までするとハード
  • 赤ちゃんも子犬も予想外のことが起こるからそこをそれぞれ対応しなくてはいけない

子供と犬と暮らすなら

私個人としても、娘がある程度成長したら犬を飼いたい願望はあります。ただ、今現在1歳未満の子供を育てながら子犬の世話も…と考えると正直本当に大変だと思います。子育ても犬飼育も両方未経験では相当な覚悟が必要と感じます。実際に患者さんで、赤ちゃんが産まれてから、わんちゃんになかなか時間も手もかけられなくて悩んでいる方も多く見てきました。一方で赤ちゃんとわんちゃんと仲良く暮らしているご家族もたくさんいらっしゃいます。

これは家庭の状況にもよりますので、わんちゃんを飼う際には各家庭で十分に相談して判断してくださいね。

子供と犬と暮らすとき、これに気をつけて!

獣医師としての経験から、お子さんのいる家庭でわんちゃんに多く見られるトラブルは以下のようなものが多いです。

誤食、誤飲

圧倒的に多いのがこれです。ご想像通りですよね。

ある程度赤ちゃんが動けるようになってくると、何でも興味をもって口にするようになりますね。これ、子犬も同じなんです。お子さんの誤食に気をつけるのと同時にわんちゃんの誤食にも気をつけましょう。わんちゃんの誤食はやはり若いうちが多いのですが、好奇心旺盛なわんちゃんはシニアになっても油断できません。年齢を問わず注意が必要です。以下は実際に私が診たことのあるケースです。

  • 子供のおもちゃや人形を食べてしまった(これは本当によくあります。)
  • 絵本を食いちぎって食べてしまった
  • 子供が犬とスーパーボールで遊んでいたら全て犬が飲み込んだ
  • 子供が落とした人の食べ物を食べてアレルギー症状が出た

お子さんとわんちゃんが遊んでいて、おもちゃを取られまいとして飲み込んだり、散らかっていたおもちゃを食べてしまったり…同じ家の中にいるのでどうしても誤食や誤飲の機会は増えます。

  • お子さんに犬が食べてはいけないものを伝える
  • お子さんが小さい場合には、犬の口に入る大きさのおもちゃや細かい部品のあるものは避けておく
  • 犬に「ちょうだい、離して」を教えて、取ったものを飲み込まないようにする
  • 食事の時間はケージやサークルなどで分ける

ケガ

お子さんがいる家庭ではケガも多いです。大きなケガとしては抱っこから落下して骨折したわんちゃんもいます。(トイプードルなどの小型犬はちょっとした高さでも骨折してしまうことがあります)

  • 子供が犬を抱っこしていたら暴れて落ちてしまった
  • 散歩中にリードを引っ張りすぎたら首を痛めてしまった(これは大人でもやってしまうことがあります)
  • 子供とじゃれあっていたら、犬の足や体を踏んでしまった

お子さんはあまり力もなく、背も低いので、あまり大きなケガにならないことが多いですが、わんちゃん、お子さん双方が安全に遊べるように注意していきましょう。

  • わんちゃんが嫌がったら抱っこをやめるようにお子さんに教える
  • 遊びに夢中になると思わぬケガをすることもあるので、ヒートアップしたら落ち着く時間をもつ

ストレス

中には子供が苦手なわんちゃんがいることもあります。どちらかというと、シニアのわんちゃんに多い傾向です。年を取ってのんびりしたいのに、ひっきりなしに遊びに誘われても大変ですよね。また、赤ちゃんが産まれたことによって今までと違う環境になり、問題行動を起こす子もいます。

  • 赤ちゃんが産まれて、犬も赤ちゃん返りをしたように甘えることが増えた
  • 子供が夏休みになったら、犬が下痢する
  • 赤ちゃんが産まれてから、かまって欲しいのか破壊行動が増えた
  • 子供に対して犬が威嚇をする
  • わんちゃんにかまってあげる時間をつくる
  • 子供との接触を嫌がるようであれば子供との遊びの時間を制限する
  • クレートやケージなどわんちゃんだけの逃げ場をつくる

仕方ない部分もわかる!

ここまで書いてきましたが、どれだけ対策してもやっぱり難しい部分もありますよね。診察中に「気をつけましょう」と言ったものの、まあ本音では難しいことも承知しています。ただ、こんなことが実際に起こったことがあると知っているだけでも違うと思いますので、予備知識として頭の片隅に入れていただけると嬉しいです。

家庭の状況はそれぞれで、一概には言えませんが、もし、わんちゃんにどうしても手がかけられなくなってしまう場合には、頑張りすぎずに周囲にSOSを出しましょう。

まとめ

わんちゃんと子供が一緒に暮らすことは感情が豊かになったり、成長にとても良い影響があります。お子さんとわんちゃんが安全に暮らしていくためには気をつけていくポイントがあります。

  • 未経験で赤ちゃんとわんちゃんを同時にお世話するのは覚悟が必要
  • 誤食、誤飲は頻繁に起こる可能性あり
  • 思いもよらないケガをすることがある。特に落下に注意
  • お子さんがわんちゃんにとってストレスになっていないかをチェックしよう
  • どうしてもわんちゃんのお世話ができなくなったら周囲にSOSを出す

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