ぽこです。
獣医師を10年以上やっています。動物病院や一般企業での勤務経験をもとに飼い主さんや動物たちに役立つ情報発信を心がけています。
わんちゃん猫ちゃんを飼っていると、どうしても気になるのが「抜け毛」。
健康なわんちゃん猫ちゃんでも新陳代謝のために古い毛が抜けます。プードルなどの毛が抜けづらいわんちゃんや、毛がないスフィンクスという猫ちゃんのような例外はありますが、だいたいの子は特に病気がなくても抜け毛はある程度でます。
服に抜け毛がついたり、洗濯物についたり、掃除が大変だったり…なかなか悩ましいですが、少しでもそんなお悩みを助けてくれるのが「ブラッシング」です。
ペットと抜け毛問題
抜け毛を気にする人が意外と多い
ペットといえば、抜け毛が気になると言う方多いのではないでしょうか?
動物は飼いたいけど、毛が抜けるのが面倒…掃除が大変そう…なんか衛生面も気になる…
私の知人たちで動物を飼っていない人にとって、ペットのトラブルで多いのが臭い、騒音、抜け毛だそうです。実は思いの外抜け毛を気にする人が多いのにびっくりしました。でも確かに抜け毛はすごいです。
動物病院でびっくり。ここにも毛が!
動物病院で勤務して初めて、こんなに毛が抜けるのかと驚いた思い出があります。昨日キレイに掃除をしたはずなのに、ものの1日でまた綿雪を被ったように毛が溜まるのです。観葉植物や置物のスミはホントに掃除が大変でした。
あとエアコン。定期的に掃除をするのですが、フィルターにもう一枚フェルト状のフィルターが付いてるのかと思ったくらい、びっしりがっつり毛がこびりつきます。
動物病院とはいえ、毎回病気で毛が抜けてる子が来るわけではありません。通常の診療をしている中でそれだけの毛が抜けて、舞っているということになります。
動物病院での必需品はコロコロ。いわゆるシートクリーナーです。なんせ普通に仕事しているだけで服に毛がつきます。診察、保定、抱っこ…毛がついたまま次の患者さんのところへ行くわけにはいきません。毎回コロコロを自分にかけてから患者さんを呼びに行っていました。
換毛ってなに?
じゃあどうして毛がそんなに抜けるのか??
犬は年に2回全身の毛が生え変わる換毛期という期間があります。生理的な抜け毛は通年を通してありますが、特にこの時期はまとまって多量の毛が抜けるので苦労している方も多いのではないでしょうか。換毛期があるのは主にダブルコートと呼ばれる上毛と下毛の2層の毛がある犬種です。柴犬などは分かりやすいですね。逆にシングルコートと呼ばれる1層のみの毛を持つ犬種は明確な換毛期はなく、徐々に必要に応じて生え変わります。
春の換毛期は、冬毛が抜け落ちて密度の少ない夏毛が生えます。また、秋の換毛期には夏毛が抜けて保温性の高い温かな冬毛が生えます。これにより気温や湿度の変化に対応しています。人で言う「衣替え」のイメージですね。
抜け毛対策ってなにする?
ブラッシング!
まずは可能であれば毎日、ブラッシングをしてあげましょう。抜け毛をしっかり落としてあげることで家の中で毛がいろいろなところに落ちることを少なくできます。換毛期は特にやってあげましょう。抜け毛対策になるだけでなく、毛のもつれを解くことで毛玉対策にもなり、体表の血流もよくなる健康効果もあります。また、わんちゃん猫ちゃんとのスキンシップにもなることが嬉しいですね。
スリッカーブラシを使うと抜け毛
換毛期の柴犬はホントにとってもとっても毛が抜けます。犬もう一匹分あるのでは?と思うくらいです。この時期の柴犬さんは痒みなどトラブルも起きやすいのですが、ブラッシングをしてあげることで痒みを抑えることも期待できます。
私個人として、換毛期の柴犬さんのブラッシングは大好きです。どんどん出てくる抜け毛が楽しくて、終わった後の毛の量を見ると達成感があります笑笑
ブラッシングが苦手な子は手袋タイプなど、その子に合ったグッズを使うといいですね。おやつなどのご褒美も用意して、ブラッシングが楽しい時間になるようにしてみましょう。
犬猫の抜け毛がごっそり取れる【 ZOORO ゾログルーミングコーム】洗濯とコロコロ
洗濯も大変ですよね。人の服はもちろん、わんちゃん用のタオルや毛布など、毛がびっしりくっついてしまうと洗濯機でもなかなか落ちません。特にフリース生地なんかはもう大変。さらに洗濯機のフィルターにも毛が詰まります。そのため動物病院の洗濯機はよく壊れます。(うちの病院だけ??)原因は毛の詰まり…
ご自宅での洗濯の場合は、コロコロでなるべく毛を取ってから洗濯するのがおすすめです。
また、毛がつきにくくなるような洗剤も販売されているようです。もっと早く知りたかった!
こまめな部屋の掃除
それだけやってもどうしても部屋には抜け毛が落ちてしまいます。エアコンのフィルターには毛が絡みます。こまめな部屋の掃除は必須になると思っておきましょう。
ただその労力をなるべく小さくするためには上記のような対策が有効なのは確かです。頑張りすぎると疲れてしまうので、ぜひ適度にバランスを見ながら、楽しくペットたちとの生活ができるといいですね。
まとめ
ペットの抜け毛は意外と悩ましい!対策は?
- ペットを飼うと抜け毛はどうしても出る
- 基本的な対策はブラッシング
- ブラッシングはスキンシップとして楽しみながらできるとベスト
- その子に合ったブラッシンググッズを選ぼう
- 洗濯前にコロコロ必須
- こまめな掃除が将来の労力削減に効果的
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