水族館や動物園の実習ってどんなことするの?

どうぶつ

ぽこです。

獣医師を10年以上やっています。

新卒から5年ほど水族館で獣医師やっていました。なかなか変わり種と言われましたが、その当時今ほど情報へのアクセスが便利ではなく、就職活動のための情報収集に苦労した思い出があります。

今回は知られざる「動物園、水族館実習」について解説していきたいと思います。実際に動物園や水族館で働くことを夢見る学生さんはとても多いです。その反面、欠員がないと募集がでない狭き門でもあります。

そんな中、実習というのはどんな仕事かを体感する、また、人の繋がりを持つという面でとてもいい経験になります。私は学生時代に動物園4、水族館1の計5園館に実習に行きました。

実習に行きたい!でもどうしたらいいか分からない。何をするか分からないから不安。

実際、私もそうでした。そんなお悩みへの助けになれば嬉しいです。

動物園や水族館の実習とは

主に動物系の勉強をしている学生さんを対象に各園館で実習を受け入れています。単位取得のための実習から、就職を目的としたもの、学生自身が希望してお願いする実習などがあります。

基本的に動物病院とは違い、1〜2日の短期の実習はほとんど無かったと記憶しています。少なくとも1週間、だいたいは2週間。大学の課題などがある子だと1ヶ月以上実習をしている学生さんもいました。卒論研究でデータを取ったりしているとかなり長い期間必要ですよね。

これだけの長い期間実習をするので、実習生を受け入れる時期はだいたい夏休みと春休みが多いです。動物病院と違い、園館の数が限られているので遠方から実習生が来ることも多いです。その際は従業員用の寮や、園館が指定した宿泊施設に泊まることがあります。

以前、実習生だけで家一軒、シェアしてみんなでわいわい過ごしたところもありました。遠方の園館でも対応可能な場合がありますので、まず聞いてみましょう。

どうやって実習を申し込む?

1番私が困ったのがこれです。

〇〇動物園で実習してみたいけど、どうしたらいいんだろう。

学校に紹介してもらう

1番簡単なのは、学校の先生に聞いてみることです。各学校(大学や専門学校)には付き合いのある園館があります。私が水族館で働いてた時も、たいてい紹介されて来る実習生の学校は毎年決まっていました。

学校の掲示板にひっそり実習の案内が貼られていたこともあります。気づいたときには申込期限が過ぎてて悔しい思いをしました。

先生や事務の方にまず聞いてみるのがおすすめです。案内や募集がない場合もあります。時期にもよるので、「実習を希望してるので、何か案内が来たら教えてほしい」と伝えるだけでも効果的です。

自力で申し込む

もう一つは自力で申し込む方法です。

園館によってはホームページに実習の受け入れ等お知らせに出ることがあります。そこから自分で申し込みをしていきます。

ただ、これに関してはこまめにチェックしていないといけないこと、受け入れの数が限られているので先着順になってしまうこと等少し面倒なところもあります。そして自分が希望する園館がホームページに情報を出さないというケースもあります。

そんな時は自分で問い合わせをします。これ、ハードルが高いように思いますよね。電話で直接問い合わせるのは勇気が要ります。私もはじめはそうでした。電話の前でしばらく考えて、意を決して電話をかける!みたいな感じでした。

これ、最初のハードルは高いのですが、確実に返答がもらえること、そこで申し込みが出来る可能性もあることを考えると効率はいい方法かと思います。具体的にどんなふうに電話をかければいいかというと、まず各園館ホームページにはお問合せ連絡先がありますので、その番号にかけます。たいてい事務や広報などの部署が窓口になっていることが多いです。

「はい、〇〇動物園、△課です。」

「すみません、ちょっとお伺いしたいのですが」

→このフレーズは便利で私はよく使います。これで相手は「あ、何か聞きたいことがあるんだな」と準備ができるので。

「今大学(専門学校)獣医学部の〇年生なんですが、実習の受け入れはやっていますか?(可能ですか?)」

こんな感じであとは先方に任せればOKです。すぐに返答がもらえる場合もあれば、担当部署にまわしてもらうこともできます。もし受け入れしてない場合は、いつ頃なら可能か、または不可なのかを聞くと、より動きやすくなります。

動物園水族館実習でやること

では実際に動物園や水族館の実習でやることはどんなことでしょうか。私の経験した実習をご紹介したいと思います。以下「お手伝い」と書いてありますが、本当に手伝いになってたか、ただの体験で終わってたのか、今となっては分かりません。まあ、それも含めて実習です。

飼育業務のお手伝い

まずは掃除や餌作りといった基本的な飼育業務です。動物園や水族館だからといって、簡単に珍しい動物たちと触れ合えるわけではありません。

人慣れしているペットと違い、野生動物である動物園水族館の動物たちは、知らない人が自分たちのテリトリーに入ってくると、すぐ警戒します。そして動物との距離感もとても大切。大きな動物だと思わぬ怪我や事故につながる可能性もあります。

給餌などで一般の人とは違う姿が見られるだけでも貴重な体験として、喜べるくらいがちょうどいいかと感じてます。

スタッフの指示に従って安全に気をつけながら作業をしましょう。思いのほか重労働が多いので腰に気をつけてください。

接客業務のお手伝い

動物園や水族館(特に水族館)の飼育員や獣医師は動物のお世話だけしているわけではなく、イベントやパフォーマンスといった接客業務も意外と多いのです。実習している時もイベントなどがあればその見学や、お客さん対応(列整理とか)をする場合があります。

お客さんから見たら実習生でもスタッフの1人になりますので、誠実に対応しましょう。分からなくて当たり前なので、ちゃんとスタッフに助けてもらえるから安心してくださいね。

獣医業務のお手伝い

獣医師の実習は大学5年生以降でないと受け付けてもらえませんでした。獣医師としての実習では、実際の巡回(動物の様子を見て回ること)や治療を見学したり、剖検(亡くなった動物を解剖して死因を確かめること)の手伝いをしたりしました。

その他いろいろ

動物園や水族館の職員は飼育員であっても、獣医師であっても、業務の幅はとても広いです。工具を使ったり、道具を自作したり、いろいろやります。実習でも機会があれば(というか、マンパワーとして駆り出される)何でもやります笑。

私がやったのは、雪かきやペンキ塗り、木材をノコギリで切る…いろいろでした。

まとめ

知られざる動物園、水族館実習ってこんなことやるよ。

  • 実習は希望して行くケース、単位取得のためのケースなどがある
  • 期間は1週間以上、多くは2週間程度と長期
  • 申し込みは学校、先生経由または自力で申し込み
  • 飼育業務実習などもあるが、動物との触れ合いはそこまで多くない(ペットと違うので)
  • 動物にあまり関係のない、飼育以外のこともやることあり
  • 就職希望なら実習やっておいて損はなし

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