ぽこです。
獣医師を10年以上やっています。動物病院で7年くらい働きました。そんな中で動物病院で一緒に働く仲間、『病院受付』について紹介したいと思います。
転職サイトには動物病院受付スタッフの募集が出ていますよね。未経験可とか特別な資格が必要ないところも多いです。動物関係の専門学校を出ていなくても、資格や経験がなくても受付として働いている人もいます。
動物が好きだから動物病院で働いてみたいな
何も経験や資格がないけど自分にもできるのかな
やってみたい。でもなかなかどんな仕事なのか想像がつかない、応募するのを迷ってる。そんなチャレンジをしてみたい人に、動物病院の受付ってどんな仕事なのか、お給料はどれくらいなのか、どんな人が向いてるのか解説したいと思います。(仕事の内容は動物病院によって違いがありますので参考までに)
結論から言うと、未経験でもできます!動物病院受付は大変ですが、やりがいのある仕事です。迷ってる人の参考になれば嬉しいです。
動物病院受付の仕事
受付
まずはその名の通り受付です。病院に来た患者さんの名前と主訴(稟告)を確認します。つまり「今日はどうしましたか?」ということを聞きます。病院によっては完全予約制で予約時にネットで飼い主さんが直接予約内容を入れる場合もあります。
- 来院した患者さんの名前と主訴を確認
- カルテを出す(紙カルテまたは電子カルテ)、初診ならカルテ作成
- 来院したことを診療する側へ伝える
- 便や尿などの検査があれば検体を先に受け取って検査をする人へ渡す
また、待合室が混雑してきたら、長く待っている患者さんにお声がけしたり、動物の様子に変化がないか見回ったりすることも大切な仕事です。
会計
診療が終わったらお会計です。病院によって、会計は獣医師が入力することもありますし、カルテをもとに受付で入力することもあります。最近は現金とカード以外に電子マネー決済を入れているところもあるので、機械操作は必須です。手術入院となるとかなり高額な金額を扱うこともあります。
事務手続き
予防注射の証明書や書類関係、保険の手続きなどをします。最近はペット保険の種類も増えてきていますが、現在窓口精算ができるペット保険会社は2社だけです。(2022年5月)
また、場合により次回の予約を受付で取ったりすることもあります。その他売上金の集計や両替などもします。
その他(動物病院によって色々)
- 薬やフードの受け渡し(動物看護師や獣医師がやる場合も)
- 受付周りの商品やポップのレイアウト
- 裏が忙しいと呼ばれて、動物を抑えたり、検査を手伝う
- 備品や薬品、フードなどの発注業務
勤務時間やお給料は?
地方にもよりますが、月給として18〜22万円程度のところが多いです。都内は最低賃金が高いからか、やや高めな印象があります。
勤務時間はパート、フルタイム選べるところもありますが、閉院までとなると19:00や20:00くらいまでは仕事をする必要があるかもしれません。
動物病院受付のここが大変
飼い主さんからの苦情の窓口になることが多い
飼い主さんからの苦情やクレームの窓口になることが多いです。院長先生には面と向かっては言えないから…と言う感じで受付で苦情を言われたりすることがあります。
また、4〜6月は動物病院一番の繁忙期で、待合室も混雑し、待ち時間も長くなります。また、病院なので緊急性の高い、重篤な子がいきなり運び込まれたり、入院中の子が急変したりします。獣医師がその処置に入ってしまうと、なかなか外来が進みません。そうなると待ち時間に対しても苦情をいただくことは多いです。
「予約したのにどうしてまだ呼ばれないんだ」
そう言われましても…と言うのは飲み込んで、丁寧に対応しなければいけません。
混んでくると複数の飼い主さんから同時に声をかけられる
受付が混んでくると、他の飼い主さんを対応中に話しかけられることはあるあるだそうです。会計しているのに「鈴木ポチです。今日は予防注射とお薬と…」みたいなことになり、さらに電話が鳴り…受付1人で3〜4人相手にしたこともあると言ったスタッフもいましたね笑。聖徳太子の耳が欲しくなります。皆さん、順番は守りましょう。
状態の悪い患者さんは速やかに獣医へ報告
動物病院は元気な子も来ますが、病気の子もたくさん来院します。来院した時点でぐったりしてたり、緊急の状態で連れて来られることもあります。また、待合室で待っている間に状態が悪化する場合も。
そんな時はすぐに獣医師や看護師へ報告して対応してもらうことが重要です。このように受付業務で忙しい中、待合室の患者さんたちにも気を配らなければいけません。
動物病院受付ここが楽しい!
こんな大変な仕事ですが、「看護師じゃなくて受付がいい!」という人もいるくらい、魅力的な仕事です。
飼い主さんと話すことが多い
まずはこれ。飼い主さんが動物病院で過ごす時間の大部分は待合室です。実際の診察室での時間より長いです。自分も病院に行ったらそうなりますよね。
病院の規模にもよりますが、飼い主さんとの距離が近いこと、接する機会が多いため顔も名前も覚えてもらいやすいです。
世間話やちょっとしたお悩み相談、動物たちのかわいい写真が撮れたとかいろいろなお話をすることが多いです。
結果、飼い主さんととても仲良くなります。場合によっては担当医よりも笑。そこでちょっとしたお話からもっと病院や診療を良くするヒントがもらえたり、飼い主さんのひと言をもとに、院内でのイベントを企画したりした人もいました。
動物たちとも交流できる
もちろん飼い主さんだけではなく、連れている動物達とも交流できます。動物病院を怖がる子が多いなか、待合室でリラックスできるように声をかけたり、撫でたり遊んであげたり。
「チョコちゃん、お腹痛いの治って良かったね。」
「今回のカット可愛く切ってもらったね」
そんな何気ない会話やふれあいが飼い主さんだけでなく、動物たちも嬉しそうです。
知識が身につく
カルテを読むことも多く、薬やフードなどのことも勉強することで、専門学校へ行っていなくても一通り業務に必要な知識は身につけることができます。病院によってはスタッフに向けて勉強会をしてくれることもありますし、また疑問をもったらすぐに聞ける専門家(獣医師)もすぐ近くにいます。
どんな知識でも身につけておくと損はないですよね。
こんな人が向いてると思う
私が思う、動物病院の受付に向いてるのはこんな人。
- 人と話すことが好き
- 動物が好き
- ひと通りのパソコン操作ができる
- 強いメンタル、気持ちの切り替えが上手(苦情対応などがあるので)
- マルチタスクが得意
- 英語ができるとなお良し(地域にもよるが最近は飼い主さんも国際的)
まとめ
動物病院の受付は未経験でも募集がある職種です。動物が好き、人と話すことが好きな方はチャレンジしてみてもいいかもしれません。
- 受付、会計、事務などがメイン
- 待合室の患者さんの様子もチェック
- 病院によっては診療の手伝いもあるかも
- 苦情などの窓口になりやすい
- 飼い主さんや動物との交流が楽しい
- 知識も身につく
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