この動物病院はヤバい!逃げるべきブラック病院の特徴6つ

キャリア・転職

ぽこです。

獣医師を10年以上やっています。その間にやはりブラックな動物病院を経験しました。同僚たちの話を聞いていてもこの世の中にブラック動物病院がまだまだ多く存在することが分かりました。

ただ、私も含めて、中にいるとなぜかそれが分からない。

「動物のために働いているんだからこれくらい頑張らなきゃ」

「私が抜けたら人手が足りなくてみんなに迷惑がかかる」

と、ブラックな環境なのにもかかわらず、感覚が麻痺してしまい、自分の心身を追い込んでしまいました。なので大切なのは「これは当たり前なんかじゃない、異常だ」と気づくこと。

今回は私が経験した、見た、聞いたブラック動物病院の特徴を紹介します。あなたの病院が当てはまっていたら逃げることを考えてもいいかもしれません。

この記事はこんな人向け

  • 現在動物病院で働いているが、なんだか疲れてきた
  • 現在動物病院で働いているが、このままでいいのだろうか
  • これから動物病院で働こうと思っているが、どんな病院が危険なのか

当てはまったら逃げてもいいかもよ

  1. スタッフが若手ばかり
  2. いつ見ても求人が出ている
  3. 院長が新人育成に無関心
  4. パワハラが常態化
  5. 労働環境が悪い
  6. 福利厚生が形だけ

動物病院ってブラック?

まず一般的な会社員と比較して、労働時間は長いし、給与は少ないです。平均から見たら少し多いかもしれませんが、勤務医の場合、比にならないくらいの残業をこなしてやっとその金額という場合もあります。命を扱う責任は重いし、やりがいがあるので頑張るのですが、その分「やりがい搾取」されやすい仕事でもあります。動物のためという名目で深夜から休日までこき使われてしまう獣医や動物看護師を何人も見てきました。

中にはしっかりとしている動物病院もあるかもしれませんが、働き方改革なんてどこ吹く風、昔のやり方(24時間戦えますか?的な働き方)を一途に貫き通すような病院がまだまだ多いのが現実です。

法人経営の動物病院増加中!

近年、農水省の調査では法人経営の動物病院が、個人経営の動物病院よりも増えてくる傾向があるそうです。肌感覚としても、大きなグループ病院を見る機会が増えたように思います。

そんな病院の求人を見ていると「福利厚生充実」「どこよりもホワイトな動物病院」といった文言をよく見かけます。なぜかというと人が集まるからですね。獣医師や動物看護師とはいえ人間です。疲労は溜まるし、体調だって崩すこともあり、働きやすく休める環境の方がいいに決まっています。

実際に私が企業病院に勤めていた頃、同僚の中途採用獣医師と「なぜ企業病院を選んだか」の話をしました。私も含めて、ほぼほぼ全員が「福利厚生の充実」を理由の一つに挙げていたことが記憶にあります。

これに当てはまったら危険⁉︎ヤバい病院の特徴

今までの経験と、同僚からの情報をもとにこんな動物病院なら逃げた方がいいという特徴を6つ紹介します。

若手しかいない

勤続年数が浅いスタッフばかりのところは、それだけ人が定着せず、毎年毎年採用をしているのでそうなっている可能性が高いです。人が定着しない理由はさまざまですが、「ここでは働き続けたくない」と思わせる理由があるのだと思います。

中でも新卒〜2年目くらいの若手しかいないところは要注意。社会人経験のある中途採用のスタッフが居つかないということは、何らかの理由があるかもしれません。

私がいた病院はスタッフ6人中2人が2年目、残り4人が新卒でした。あとから聞いてみたら、院長とのトラブルでスタッフが一斉に退職してしまって急きょ採用したそう。早く知りたかった。

退職理由はブラックな労働条件だけではなく、家庭の事情などもあるかもしれませんが、大人数が辞めているとなると原因は病院にある可能性が高いと考えられます。

いつ見ても求人が出てる

これはどの業種でも当てはまるかと思いますが、人が定着しないところはいつも求人が出ています。転職サイトを2〜3ヶ月見ていると、ずっと出ているところは大体同じ動物病院、企業が多いと実感しました。自分が転職や就職を希望する病院をピックアップする場合は時間をかけてリサーチすることが大きなヒントになるかと思います。

院長が新人育成に無関心

実際に新卒で入っても院長が全く育成に無関心なこともあります。院長自身が好きなように仕事をしたいので、育成よりも自分が仕事をする補助ができれば十分と考える人もいます。実際に転職を考えている若い獣医師に聞いた話ですが、

「獣医師2年目だが、予防注射に2〜3回、猫の去勢手術を1回やっただけであとは看護師業務。院長から教わることはほとんどない。実践する機会もなく、ずっと独学の勉強だけでは不安なので転職を考えている。」

確かに本人の問題などもあるかもしれませんが、教えることが下手な院長が多いことは感じます。年配になるにつれ多い印象です。

私のいた病院でも同じような院長がいました。昔は「俺の背中を見て学べ」的なやり方が主流だったので、本人たちは背中で教えているつもりらしいです。でもそんなの伝わらないですし、実践もできないなら、実際に育たないですよね。

そんな中で仕事ができないと怒鳴られたりしたら人が定着しないのは当然です。新人が育たないと人が増えたのにもかかわらず業務は楽になりませんし、忙しいことが続くので悪循環です。

パワハラが常態化

これも多いです。昔ながらの体育会系なのかパワハラ、セクハラが常態化していることもよく聞きます。個人経営って外部からあまり見えないのが原因でしょうか…企業病院は割とコンプライアンスはしっかりしている印象でした。実際に見た、聞いた、経験したパワハラ、セクハラの一部です。

  • 患者さんの前で怒鳴られる
  • 終業後スタッフ全員の前でミスを指摘され、改善するまでネチネチ言われる
  • 無視される、仕事を与えてもらえない
  • 呼び出されて裏で文句を言われる
  • 独身女性獣医師に「こんなに気が強かったら結婚できないよ」
  • 女なんだからちゃんと(俺が散らかしたところを)キレイに片付けなよ、いい奥さんになれないよ

世間がパワハラやセクハラに対して厳しくなってきていることは承知しているはずなんですが、大体当院長たちはパワハラをしている自覚がないことがほとんどです。自分は教育やコミュニケーションをとっているつもりらしいのですが、第3者から見たら完全にアウトです。中にいる人間は指摘もできないので耐えるしかなく、そのうちにそれが当たり前になってしまっています。

労働環境が悪い

動物病院は(病院にもよりますが)激務で、長時間労働も多いです。残業時間は多い職種です。動物の命がかかっているので夜間緊急オペや宿直などでやむを得ない場合、診察が長引いてしまうこともあります。

  • 労働時間が長い
  • 多忙のため休憩が取れず、食事すら取れないこともある
  • 体調が悪くても人手が足りないので休めない、早退できない
  • 休日も呼び出されることがある
  • 残業代が全て、または一部もらえない
  • ケガが多い、意外に肉体労働

職種的にどうしても労働時間は長くなりがちですが、その対価がないこともあります。動物のため、勉強のためという名目で「やりがい搾取」されている病院は要注意です。

福利厚生が形だけ

有休が取れないことはよく聞きます。スタッフによっては入社以来有休をとっていいと知らなかった子もいました。病欠は基本的に欠勤にされていたそうです。まだまだ雇用保険と労災保険しか入っていない病院も多いです。就職時はきちんと確認しましょう。そして求人票には充実した福利厚生と記載してあっても実情、それが使えないこともあります。

  • 有休が取れない
  • 人の入れ替わりが多いところは退職金がないことがある
  • 健康診断を受けさせてもらえない
  • 昇給年一回と記載があるのに昇給されない
  • セミナー、学会参加費用補助などは自分が発表する時しかでないことがある

自分の病院の福利厚生がどうか、ちゃんと使えるのか確認が必要です。手っ取り早くわかりやすいのは、やはり有休が取れるかどうか、取ったことがあるかスタッフ同士で話してみてはいかがでしょうか?

自分の身心を大事に!

現在の動物病院での仕事に満足している方はきっと大丈夫です!ただ、上記のような項目に自分の病院が当てはまり、それについて少しでもモヤモヤしたものがあるのであれば、逃げることも視野に入れていいかと思います。自分の心身が一番です!それよりも大事な仕事なんてありません。引き止められることもあったり、人が少なくて心配になる気持ちもわかります。ブラック動物病院で頑張っている人は本当に「いい人、優しい人」が多いから。もし仕事が原因で病んでしまっても職場は助けてくれません。自分を守れるのは自分です。周囲の力も借りて客観的に職場環境を見直してみましょう。

当てはまったら逃げてもいいかもよ

  1. スタッフが若手ばかりは長続きしない病院の可能性
  2. いつ見ても求人が出ているのは、それだけ人が辞めている
  3. 院長が新人育成に無関心だと、人が成長できずに業務も楽にならない
  4. パワハラが常態化しているかどうか、第3者の目を借りよう
  5. 労働環境が悪い、長時間労働が常態化
  6. 福利厚生が形だけのところは要注意

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